ライオン誌日本語版2005年5月号
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- 始 に こ や か で 、 流 暢 な 日 本 語 を 話 さ れ 、 好 々
た よ う で あ る 。 我 々 と 会 話 さ れ た 溥 傑 氏 は 終 が 書 い て あ っ た 。
に 選 出 さ れ 、 書 道 界 の 長 老 と し て も 活 躍 さ れ っ た 。 こ の 書 物 の 扉 に 、 そ の 日 と 書 店 の 名 前 と い う 訳 者 に つ い て も 格 別 な 関 心 が あ っ た わ
溥 傑 氏 は 中 国 人 民 代 表 大 会 代 表 ( 国 会 議 員 ) 和 十 七 年 ( 一 九 四 二 年 ) 五 月 二 日 の こ と で あ
さ れ る ま で 仲 む つ ま じ く 北 京 で 暮 ら さ れ た 。 を 買 っ た の は 、 東 京 新 宿 の 紀 伊 国 屋 書 店 。 昭 て し ま え と い う 商 魂 で あ ろ う か 。
て 十 六 年 ぶ り に 再 会 。 八 七 年 に 浩 夫 人 が 他 界
の 人 道 的 な 配 慮 に よ り 新 中 国 へ 帰 国 し 、 晴 れ
京 に 戻 っ た 。 そ の 後 六 一 年 、 浩 夫 人 が 周 総 理
に よ り 、 五 九 年 に 溥 傑 氏 は 特 赦 で 釈 放 さ れ 北
た 。 生 前 の 慧 生 氏 が 周 恩 来 総 理 に 出 し た 手 紙
大 学 同 級 生 の 片 思 い に よ る 無 理 心 中 で あ っ
夫 人 の 自 伝 『 流 転 の 王 妃 』 に よ る と 、 学 習 院 お 祈 り す る 次 第 で あ る 。
︵ サ ー ビ ス 業 ・ 65 歳 ︶
悲 劇 の 愛 新 覚 羅 一 族 と 映 画 化 も さ れ た が 、 浩 年 を 迎 え る に あ た り 、 改 め て 心 か ら の 冥 福 を 戦 勝 気 分 に ひ た っ て い た 。 こ の 日 、 十 六 機 の
遭 遇 。 マ ス コ ミ は 「 天 国 で 結 ぶ 恋 」 と 報 道 し 、 送 ら れ た 溥 傑 氏 と 浩 夫 人 に 対 し 、 戦 後 六 十 周 響 く た び に 大 戦 果 が 発 表 さ れ る の で 、 国 中 が
女 の 慧 生 氏 は 五 七 年 に 「 天 城 山 心 中 事 件 」 に
後 の 混 乱 で た い へ ん 苦 労 さ れ た と の こ と 。 長 爺 と い う 印 象 を 受 け た 。
東 京 に 米 軍 の 初 空 襲 が あ っ た の は そ の 十 四 ず か 二 日 間 で 読 み 上 げ た 。 開 巻 第 一 に 訳 者 の
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モ ー ス 著 石 川 欣 一 訳 『 日 本 そ の 日 そ の 日 』 な の か 、 空 襲 で 消 失 す る 前 に 出 来 る だ け 売 っ
山 寺 仁 太 郎 ( 山 梨 県 ・ 韮 崎 )
モ ー ス 『 日 本 そ の 日 そ の 日 』
日 中 昭 和 史 の 生 き 証 人 と し て 波 乱 の 生 涯 を た 大 東 亜 戦 争 は 連 戦 連 勝 。 軍 艦 マ ー チ が 鳴 り
け で は な い 。 内 容 が お も し ろ か っ た の で 、 わ
私 は モ ー ス と い う 人 物 に つ い て も 石 川 欣 一
あ っ た 。 も っ と 敵 国 を 知 る よ う に と い う 国 策
書 店 に は 、 不 思 議 と 欧 米 の 翻 訳 書 が 並 べ て
の 厳 し さ を 初 め て 現 実 に 味 わ っ て い た 。
と 言 わ れ た が 、 日 本 中 ま さ に 冷 汗 一 斗 、 戦 争
戸 な ど に 爆 弾 を 投 下 し て 去 っ た 。 被 害 は 軽 微
爆 撃 機 が 白 昼 悠 々 と 東 京 、 横 浜 、 名 古 屋 、 神
日 前 の 四 月 十 八 日 。 前 年 十 二 月 八 日 に 始 ま っ
The Lion 2005. 5月号
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