ライオン誌日本語版1991年11月号
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ン
ソ
上回る登録がありました︒
ラ
マ
私は黙ったまま彼から離れ︑振り向
大会当日の五月二十六日は︑真夏
を思わせる太陽の下︑五キ︒︑十キ︒︑
デ
↑
嘉
かずに﹁君をゴールで待っている﹂
40
と言い残し︑二時間三十分を過ぎた
ハーフ・マラソンの各種目に参加す るランナーたちで会場は埋め尽くさ れました︒この大会を陰で支えてい
鞭 攣ト
.哀・
一﹂
時点でゴールしました︒
閉会式が終わり︑テントの撤去な
ど後片付けも済んで︑山のようなゴ
るボランティアの数は延べ千人を超
え︑町のほとんどの団体が参加して
ミが車に積み込まれるなか︑私は彼
小ス
︑
がゴールすることをひたすら待ち続
運営されています︒沿道の交通整理
から︑ソーメン︑お茶の準備まで︑ あらゆる分野での奉仕に汗を流し︑
︑8メ ︑
けました︒
二十分︑三十分⁝⁝︒彼の姿が見
えました! 棄権しないで自分の足
参加ランナーからは︑手作りの温か
い大会︑何回も来たくなる大会だと お褒めの言葉を頂く意味がよく分か
りました︒
を着て走り︑クラブのPRをしたい
と提案したところ快諾を得て︑大会
役員の方々にも着用して頂きました︒
しいアスファルトの道を走りつづけ
で帰ってきたのです︒ゴール・タイ
ました︒走りながら︑彼は今年小学
ムは三時間三十二分︒私は彼に駆け
校の教諭として社会人になったばか
寄り﹁おめでとう﹂と叫びました︒
ここに私が体験したエピソードを
紹介したいと思います︒
りで︑和歌山市から友だちと一緒に
彼は私の手をしっかり両手で握りし
私は入会して日が浅く︑新入会員
のためのオリエンテーションでその
参加しているが︑大会前日に足首を
め︑﹁途中︑何回も棄権しようと思
ハーフ・マラソンがスタートして 間もなく︑足をかばうようにして︑
びっこをひいているランナーが一人︑
負傷し︑テーピングをして走れると
い歩きましたが︑生徒たちの顔を思
概念を少し学んだ程度で︑友愛・寛 容・協調の精神で社会奉仕を実践し
ていくには︑まだまだ未熟者であり︑
ころまで頑張ってみるつもりだと語 ゆっくりと走っていました︒その不 規則な走り方のなかに一定のリズム がうまく保たれてはいましたが︑集 団から外れ︑途中リタイアする可能 性が大きいので︑私は彼をマークし
ながら伴走しました︒
い浮かべ︑あなたの言葉を心に言い
ってくれました︒折り返してきたラ
聞かせてここまで来れたのです︒あ
ンナーたちから﹁頑張れ﹂﹁ファイ
りがとうございました︒お陰で完走
自分の肌を通して少しずつ学んでい
こうと思っています︒
ト﹂と温かい声援を受け︑その青年
することができました︒来年はもっ
ゴールを目指したのです︒
は足の痛みに耐えながら︑ひたすら
と多くの友と一緒に︑あなたに会い
今大会で初めて︑ランナーの監視 役でハーフ・マラソンの伴走をする
ことになりました︒そこで我がクラ ブ会長の葬肥田良久に︑同じ走るの であれば町民の皆さんが応援するな
に必ず帰ってきます﹂と︑約束して
しかし︑折り返し地点を過ぎ︑︒コ
号
くれました︒
ール手前五キ︒付近で︑彼は﹁もう足
来年もこの大会にボランティアと
はじめは︑彼に調子が悪ければい つでも棄権し︑後続の車に乗れる手
1
明
があがらない︑もうだめです﹂と何 配をすることを伝え︑照り返しの厳
して参加し︑あの青年と再会するこ
旬
回も私に言いました︒その足は象の
とを願っています︒
㎜
かを︑ライオンズクラブのTシャツ
ように膨れているように見えました︒
︵婦人服製造業・50歳︶
n
山
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