ライオン誌日本語版1991年11月号
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- 多様性のなかに統一を求めて
百万人︑その大部分がマレー系だが
響も根強く残っている︒
ジャワ族︑スンダ族︑バタック族な
世界の七不思議の一つにあげられ
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S
インドネシアは世界最大の島填国
家と言われる︒オーストラリアの北︑
赤道を中心に南北千九百キ︒︑東西五 千百キ︒にわたり大小一万余の島々か
とうしよ
ど三百の種族を数え︑言語も多様だ
るボロブドール遺跡は︑ジャワ島の
った︒独立後︑マライ語を改良した
中心部にあり︑四世紀からこの地に
インドネシア語を統二=口語として︑
栄えた国々のなかから興隆したシャ
その普及がはかられた︒宗教も同じ
イレンドラ王国が建設したもので︑
く多種多様で︑一九八八年の国勢調
世界最大の石造仏教遺跡と言われる︒
N
七百である︒主なものは首都ジャカ
ルタと一九五五年の第一回アジア・
らなり︑そのうち人が住むのは三千
一八一四年︑イギリスの総督補トー
マス・スタンフォード・ラッフルズ
O
ナフリカ会議の開催で有名になった
バンドンがあるジャワ島のほか︑ス マトラ︑カリマンタン︵ボルネオ南
部︶︑スラウェシ︵セレベス︶︑イリ
卿によって発見され︑一九〇〇年に
はオランダ政府によって一部復元が
試みられたが︑その折︑貴重な仏像
などが持ち去られたという︒一九六
七年︑インドネシア考古学会のスク
アンジャヤ︵ニューギニア西部︶な
モノ教授によってこの遺跡を守る運
L
ど︑カッコ内の戦前の名前を懐かし
む人も多いことだろう︒
動が起こされ︑ユネスコがこれに同
一■
調して各国に協力を要請し︑その解
ボルネオ島の北部は︑四月号に紹
介したとおりブルネイとマレーシア が領有し︑ニューギニアの東部は︑
体復元工事が一九八三年に完成した︐
ここで教えられていたのはマーハ
N
ヤーナ︵大乗仏教︶で︑その教義は
国連信託統治領から一九七七年に英
ューギニアとなっている︒その国境 の複雑さは中東湾岸諸国と同じく︑ この地域で十七世紀以来︑覇を競っ たオランダ︑スペイン︑イギリスの
連邦加盟国として独立したパプアニ
ラ
ねはん
ニルバーナ︵浬繋︶を求める者は︑
査では国民の八八習がイスラム教徒
自分のみでなく他人にもその成就が
とされたが︑九世紀に完成したと伝
得られるよう助け︑苦悶のサムサー
えられるボロブドール寺院にみるよ
ラ︵輪廻︶とカーマ︵因縁︶からの
号
うに︑ヒンズー教あるいは仏教の影
解放に協力することによって︑ボー
1
明
旬
確執の後遺症と思われる︒
D
L
インドネシアの人口は一億七千五
薗ぶ・拝見1⑩インドネシア
㎞
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