ライオン誌日本語版1991年11月号
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- 自立してありのままを見せる
てもらうかという視点も必要だ︒
てやるかではなく︑若者から何をし 三輪 国際人とは︑難しいもので はない︒どんな外国人とも︑肌の色 を越えて︑対等に握手できる人が国 際人だ︒肌の色によって卑屈になっ たり︑尊大になったりするのは︑エ
チケットに反した汚らわしい存在で︑
それは国際人の敵だ︒
モレシャン 自分の過去について
地方から始まる︒富山県での例だが︑
安心できないと︑相手のアイデンテ
カナダの女子高生がホームステイし
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林国際化︑国際人ということが
言われているが︑国際人とは何か︑
ということについて話して頂きたい︒
ィティーについても安心できない︒
競争心だけでよいという感覚では︑
国際化できない︒
だんらん
て︑そのときに︑日本では家族のテ
レビタイムはあるが︑家族の団梁タ
イムがないと言っていた︒カナダで
加藤 モレシャンさんは︑国際的
ということは︑自国のアイデンティ ティーを知ることだと言ったが︑私
国際化は地方から始まる
は︑それを大事にしているという︒
地方都市においてすら︑団築がない︒
林 国際化時代が叫ばれ出したの
その辺から︑私たちの国際化につい
もそれに賛成だ︒私の大学では︑外 国の大学と交流しているが︑向こう
から人が来ても︑特別なことはせず に家に来てもらうし︑普段行ってる
は︑地方の時代ということが言われ
言うと︑どうなるだろう︒
て考えるべきことが始まっている︒
モレシャン 人間は皆同じ︒白も
黒も関係ない︒キーワードは愛だ︒
出したときだった︒その辺の視点で
加藤 国際化と地方の時代という
のは︑決して二律背反ではなく︑コ
林そういう国際人を育てるには︑
教育の面でどう考えるか︒
三輪 視点を︑自分の住む街にお
インの裏・表だ︒地域を愛せる人が︑
学生街の安い食堂へも案内する︒生 活をそのまま見せて︑違いを理解し
てもらい︑こちらの希望もはっきり
いて考えると︑外国人がやってきて︑
本当に世界を愛せる人だ︒自分が住
木村 大学教育だけで解決できる 問題ではない︒日本人は︑同じであ ることに快適さを感じるが︑たとえ ばイギリスでは︑違うから面白いと いうとらえ方をする︒そういう風に
変わっていかなければならない︒
住んでみて︑素晴らしいと言われる
っていくということだろう︒
んでいるところに自信をもつことが︑
ような︑そういう活動を日常的にや
とりもなおさず︑自分たちと違う世
述べている︒こちらの願望がまずあ
って︑その上で︑そのままを見せる︒ それが国際化の上では大事だろう︒
界に住んでいる人を受け入れる心の
浜松では︑人口五十三万人のうち︑
ゆとりになるのだろう︒
正規にやってきた外国人が八千人︑ 加藤 きちんとした日本人を育て ることだ︒日本人としてきちんと教 育されていれば︑尊大にも卑屈にも ならない︒そのためには若者を甘や
かさないことだ︒努力すればできる︑ しつけ
地域に信頼がおけるということが︑
木村 何よりも︑人間として自立
していることが大事だ︒自分がどん
その他を含めると二万人がいる︒私
国際化につながる︒
たちは︑宇宙の地球丸という小舟の
モレシャン 東京は気取っている
なに弱い存在か︑一人では生きられ
ない存在だということを︑きちんと 踏まえていてこそ自立していける︒
乗組員であり︑全員が運命共同体の
が︑地方には日本のルーツがあり︑
なかにいる︒さあ︑皆︑手を取り合
そこに未来がある︒
って行こうという︑思いやりのある
林アイデンティティーを知るこ
というきちんとした躾をすることが
最近︑海外での若者の事故が多発し
ているが︑そこには︑自立していな い若者が︑自立したふりをしている
個性的な街づくりをすること︑それ
大事だ︒甘やかせると︑日本人とし ての自覚をもてない人間にしてしま
・つ︒
と︑ルーツを知ること︑国際人とは︑
号
が地方都市の国際化の在り方だろう︒
自分を知り︑自分を表現し︑自分の
朋
木村 三輪さんの浜松という地方
価値観で考えることが基本というこ
竃
甘えが見られる︒もっともっと自立
しなければいけない︒若者に何をし
のヒューマン・スケールのとらえ方
とが皆さんから話された︒国際化は︑
m
が素晴らしい︒国際化というのは︑
まさに地方から始まるといえよう︒
山
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