ライオン誌日本語版1991年11月号
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- ◇入 選◇ ◇入 選◇
下座一転山車曲がるとき挺入れにきしむ 車輌の音なつかしむ
︵千葉県・東庄︶石橋 長男
◇入 選◇
無神論者困った時だけ手を合せ 能面に刻み込まれた芸の汗 どうしよう妻が喪服を買ってくる 充電に行くふる里の山と川 算盤に長じバブルでご破算に ドアー閉める不満の思い音になる 人不足尻目にレジャーだけ活気 二度童子悲し胃袋だけになり 老人の性問題は立って消え 最下位にブービーと言う賞があり
号
1
胡
試歩の幅たしかとなれり草は実に
︵北海道・上川︶石田 五悠
︵青森県・五所川原︶坂本 憲昭
苗
山荘に更け人遠し銀河濃し
︵東京霞ケ関︶向井はるを
︵青森県・八戸︶福田 一豊作
U
㎜
大の字に寝て新涼のたたみかな
終戦忌ま近き一日の窓あつく志願に征き し人の遺書読む
︵千葉県・東庄︶齊藤 久子
T
㎞
︵名古屋城東︶富田祐史 頸撫でて鵜を労はれる鵜匠かな
︵岐阜長良川︶川出善太郎
︵青森県・弘前チェリー︶波多野五楽庵
深草に信玄の坤き聞く如くくつわむしや らきりぎりすやら
︵愛知県・東栄︶原田 嘉美
︵青森県・弘前中央︶高橋 岳水
轟鳴いて坊のしまひ湯ぬるかりし
し ま
︵大阪島之内︶大澤美代女
︵新潟県・加茂︶小池 龍介
花芙蓉林泉に一基の五輪塔
に歩む板間さやけし
みどり越し部屋吹き抜くる風ありて素足
︵三重県・四日市みなとライオネス︶杉野 静子
︵大阪府・堺浜寺︶釜下 正純
︵愛知県・名古屋名城︶岸上かおる
生身魂酒が薬と笑みたまふ
︵大阪府・吹田︶中島きみ子
秋めきし岬の鼻の泊りかな
︵和歌山県・南部︶宮本 五子
日暮れ道しきりにつづく虫の声白露の今 宵まだ灼ける地で
︵兵庫県・西脇︶蛭田 富雄 ひと
︵静岡県・清水羽衣︶中村 雄二
︵大阪ノース︶竹原 大八
也貝
補てん受け帰省の孫等Uターン
一打一韻進まぬ列や迎へ鐘
︵京都洛陽︶澤村 越石
トンネルに入りて座席の陰の女窓に映る
︵大阪府・東大阪︶有田明
を会釈交わせり
︵徳島県・石井︶一宮 正治
海に矢を放ちて海を開きたり
︵奈良︶今里 峯子
︵大阪府・泉佐野︶森北三四郎
・り
退いて見上ぐる滝の高さかな
︵奈良︶岡野 正午
夕まぐれ虫の音とまこう耳鳴りの持病を しばし聞くも風情か
︵高知県・土佐香南︶野村土佐夫
︵大阪府・泉南︶古谷 義晴
みささぎをめぐりて田水沸いてをり
︵ 奈 良 県 ・大和高田︶岡本 誓山
盆休み高校野球と墓参り 鶏頭は紅紫の濃き色を溜めて立ちをり日
暮の土に ︵鳥取県・倉吉北︶山里千江子
︵鳥取千代︶河村 慎
食事みな子供好みや夏休み
︵岡山県・矢掛︶小野 操
峰うちと判って近い人になる 失禁のふとんが妻へかしこまり 野の花のくさぐさ夜の団樂にもちよりし 子らと図鑑ひもとく
︵鳥取県・米子グレート︶笹鹿 克美
ニイハオ
︵岡山グリーン︶武田 辰男
を
物 阿
柿盗む子等を見ぬふりの読経かな 休好と声かけられて振り向けば物売る老 女笑みて寄りくる ︑ ︵宮崎県・延岡︶岸上 初代 再会の目は枕惚と酌み交す
籐椅子に暮れゆくひと日惜しみけり
︵山口県・岩国錦︶小方 一路
︵岡山県・真庭︶沼本 正康
名
車
糎
全身を声となしたる羽抜鶏 ︵福岡リバティ︶坂井作子 波の音風に聞こゆる踊り唄
︵ 長 崎 県 ・大島崎戸︶村上 廣漠
応募規定
︵島根県・松江湖城︶松井 威彦
︵福岡県・北九州洞海︶松本 隆吉 ●会員.家族●ハガキ一枚に三句︵首︶ま で●一人一枚●クラブ︑氏名︑ ●俳壇・歌壇・柳壇のいずれかを明記してください 住所をお忘れなく●楷書でお願いします
也貝
の
吐
究
極
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