ライオン誌日本語版1991年11月号
- ページ: 55
- 代目の建造である二とか分かる 桟 瓦葺きで︑外観を黒く塗った切妻造 南から北に流れる利根川の支流小 野川を︑町のほぼ中央て交差して東 西に香取神宮への参詣道が貫いてい
る︑佐原独特の古い家並みは︑この
ま︹︑た 写真は水郷の味﹁いかだ焼
りのこの土蔵は︑ 一階の店舗部分の
き﹂本舗正上の店舗と蔵 ④正文堂書店から左隣の二軒目が︑
天井︑書棚等にはがっしりとした禅 材が用いられている また︑二階は
天明年間創業という蕎麦の小堀屋本
座敷となっている ㌘前田は︑﹁蔵だ
店 この店は天明と明治の二度の火 災で焼け︑いまの店舗は明治二十七
から明りとりが少なく暗いが︑夏は
小野川と参詣道の交差する忠敬橋の まわりに多く残されていて︑格子戸 に板塀の町家や土蔵造りの商家に賑 わったころの面影を見る二とができ
る
涼しくてクーラーはいらないし︑冬
年︵一八九四︶の建築 江戸時代に︑ お江戸見たけりゃ
は暖かい 百年以上も大火︑地震︑
戦災に耐えてきただけに丈夫てすし︑
佐原へおいで 佐原新宿江戸まさり 小堀屋のそばも江戸まさり
二階の座敷に入ると何よりも心の安
といった唄がもてはやされ︑小堀
らぎを覚える﹂とのこと
屋本店のぞはも歌い込まれていた
0③ 龍の彫刻を施した看板のある
正文堂書店︹店主・㌘前田豊︶は︑
②町を二分して流れる小野川の両
それだけ佐原の﹁名代のそば﹂とし
岸には︑かつては米や麦などの物資
て知られていたのてある いまも昔
佐原の古い町並みのなかでもひとき
わ異彩を放っている
の荷揚げ用の﹁ダシ﹂と呼ばれる石
なからの 秘伝の味 を売りものに
段か各屋敷前に設けられていたか︑
している
県文化財に指定されている︑忠敬
橋のたもとの一一階建て店舗は︑棟札 によって明治十三年︵一八八〇︶︑四
水運の衰亡とともに年々護岸の改修 も進み︑いまではこの辺りの数カ所
9⑥ 全国を測量して作成した実測
日本地図は︑実際は伊能忠敬の没後︑
にしか見ることができなくなってし
弟子たちによって完成されたか︑文
久年間︑イギリスの測量船が来日し︑
日本の測量をしようとしたか︑忠敬
の実測地図をみて︑あまりの正確さ
に驚嘆︑測蟄を中止して帰国したと
いうエヒソートか残されている 寛
政五年︵一七九三一に忠敬自ら設計
し︑三十二年間暮らした旧宅︵店舗︑
母屋︑土蔵︶か︑多数の測量器具︑
測羅図︑日記なととともにそのまま
保存され︑郷土の偉人をたたえる記
念館となっている 国指定史跡︑遺
品は重要文化財 観光パンフレット
には︑記今⇔館の写真とともに日本地
図発祥の町と記されている かつての水運の町・佐原には︑い
まも市内至るところに橋かあり︑そ
の数百三十
⑦忠敬記念館か・b︑ゆるやかにカ ーブした道を進むと︑下新町の町並
みへと出る 写真は︑浄土寺への道
にいまなお残る町家の格子と土間
- ▲TOP