トピックス 国際理事会のテーマは
「経費削減」

国際理事会のテーマは「経費削減」

10日間のアメリカ滞在の日程を終え、ニューヨークのJFK空港から帰国の途に着きました。14時間の空の旅はキツイです。今回の滞在の目的は、春の国際理事会と、国連本部での国連ライオンズ・デーに出席することでした。ニューヨークの国連本部ビルの内部を初めて見学し、また実際に国連の委員会が開かれる部屋で世界各国から集まったライオンズメンバーとの会議があり、とても貴重な経験になりました。

国際理事会は国際本部があるイリノイ州オークブルックで開かれました。シカゴ中心部から30km余り、一流のショップにレストラン、ゴルフコースなどがあり、大都市と郊外の魅力を併せ持った街です。

オークブルックに到着したのは3月14日。時差ボケに悩まされつつ、翌日の監査委員会に備えて休息を取りました。15日朝8時に始まった国際協会とLCIFの合同監査委員会では議長を務め、両組織を担当する外部会計監査法人のASRから分析結果の報告を受けて検討を行いました。委員会の検討結果は理事会の承認を得て決定されます。

16日には監査委員会以外の委員会が始まり、それに先だって朝8時から9時まで、各委員長が委員会で討議する項目を説明します。私は監査委員会の委員長として、前日の委員会の報告とRSM米国法人の採用を提案しました。私が副委員長を務める財務及び本部運営委員会には、翌日から各委員会が予算の説明に来ることになっているため、国際協会を効率良く運営するために、事前に内容を精査して出来るだけ節約を図った予算とするよう伝えました。

午後からの財務及び本部運営委員会では、メリルリンチの担当者から国際協会の運営資金の投資について具体的な説明があり、順調に推移しているとの報告がありました。その夜には国際本部の視察を行い、本部ビルのロビーでビュッフェスタイルの夕食会がありました。

財務及び本部運営委員会の会議

今回の理事会の大きなテーマは経費削減で、財務及び本部運営委員会が目指すのももちろん経費削減です。国際本部のサンジーブ・アフジャ事務総長も本気で取り組んでいます。今期は400万ドルを超える赤字が見込まれ、これはインドの消費税支払いの影響によるものですが、理事会には経費削減の大号令がかかっています。来期は約150万ドルの黒字になるように各委員会が努力し、予算案はそれぞれに良く議論された内容でした。

財務及び本部運営委員会では、八つの委員会の来期予算をいかに経費削減するかを討論しました。象徴的な例として、国際会長が利用する航空便のファーストクラスからビジネスクラスへの変更があります。年間300日以上も世界中を旅する国際会長にとって、飛行機の機内は移動のためだけでなく睡眠時間を確保出来る貴重な場所ですが、それよりも経費削減を優先した判断です。また、研修施設・Qセンターでの第一副地区ガバナー研修はバーチャルに変更します。参加者700人以上に上る対面での研修をやめることでおよそ150万ドルのコストダウンになり、それを補うために国際大会直前の地区ガバナーエレクト研修を1日増やします。

最終日の審議会では各委員会の委員長から報告と審議事項の上程があり、採決が行われました。こうして、経費削減に真剣に取り組んだ理事会が終わりました。翌朝は8時に集合して空路ニューヨークへ移動。この日の夕食会には各国の国連大使も出席し、私の隣席は御巫智洋特命全権大使でした。

ニューヨークの国連本部で開催された国連ライオンズ・デー

国連本部ビルでの第47回国連ライオンズ・デーは、21日に開催されました。今から80年前、ライオンズクラブは46カ国の代表による国連憲章のNGO条項の策定に協力しました。ライオンズと国連の協力関係は今も続いており、私たちは毎年国連ライオンズ・デーを開催すると共に、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。「世界の永続的な平和」に対するライオンズクラブの貢献への認識を新たにしました。

2025.04更新(国際理事/城阪勝喜<大阪港ライオンズクラブ>)