獅子吼
子どもたちの笑顔に
癒やされて
松本正彰(兵庫県・神戸六甲ポートLC)

「施設の子どもたちを迎えてアイススケート」は、40年続くアクティビティです。神戸六甲ポート ライオンズクラブは2009年に神戸ポート ライオンズクラブと神戸六甲ライオンズクラブが合併して誕生したのですが、このアクティビティはもともと神戸ポートライオンズクラブの事業で、合併に当たってのただ一つの条件として同事業の継続を申し出ていました。
神戸市の養護施設に在籍する子どもたちに楽しいひと時を、という思いで続いてきたこの活動。クラブ合併後ももちろん毎年開催していましたが、コロナ禍と施設設備の不具合により3年の中断を余儀なくされ、ようやく昨年度から再開することが出来ました。神戸市立ポートアイランドスポーツセンターのアイスリンクで、子どもたちが満面の笑みでスケートを楽しむ姿を見られるのはすばらしいことです。ピーク時には400人を超える子どもたちの参加があり、リンクは所狭しといった様相の頃もありましたが、コロナ禍以降は200人前後となっています。
これは、多くの皆さんのご協力の下に開催出来ている活動でもあります。神戸市家庭支援課には各施設への参加募集と希望者のとりまとめをしていただき、スピードスケート名誉審判員でもある兵庫県スケート連盟の鈴木信子副会長にはあらゆる面で主導し、スポーツセンターの方々と共に、リンク使用の日程調整を始め円滑な開催に向けて何かと配慮し、当日は事故のないよう子どもたちを誘導していただいています。また当日お手伝いくださる神戸市スケート協会の方々にも深く感謝しています。
子どもたちにスケートを指導してくれるのは、関西学院大学スケート部の学生の皆さんです。例年は約30人、昨年は40人が参加しました。スケートシーズンの真っ最中ということもあり、練習に競技会にと忙しい中、平居総監督の協力により参加してくれています。フィギュアスケート選手のすばらしい演技を目の前で鑑賞出来るのも、非常にテンションが上がる瞬間です。
子どもたちは午前中に2時間スケートを楽しんだ後、天気が良ければスポーツセンター近くの屋外で昼食となります。配布したお弁当を皆で和気あいあいと食べているその姿は、とてもほほ笑ましいものです。これも、町のお弁当屋さんが毎年200個、300個という大量注文を受けてくれるおかげです。
神戸市社会福祉協議会からの助成金を頂きながら、これまで何とか継続してきましたが、クラブメンバーが年々減少し、また高齢化もあり、クラブの存続自体が厳しい状況になってきています。旧神戸ポート ライオンズクラブとの約束をどうすれば守り続けられるか、何か打開策がないものかと一同模索しているのが現状です。
スケートを楽しんでいる時も、お弁当を受け取る時も、大きな声で「ありがとうございます!」と言ってくれる子どもたち。そのすばらしい笑顔は、我々の心を癒やし元気をくれる活力剤です。あの笑顔をこれからも毎年見続けるために、何が出来るのかを考えていきたいと思います。
(幹事/96年入会/67歳)
2025.03更新