投稿リポート
子どもたちに明るい未来を
移動図書館みどり号復活
滋賀県・栗東ライオンズクラブ
#青少年支援

栗東ライオンズクラブ(田中義信会長/48人)は、結成50周年記念事業の一つとして移動図書館「みどり号」を市立図書館へ寄贈した。
今、日本でも経済的な格差が問題となっている。それは、子どもたちの成育環境にも大きく関わる問題だ。家庭環境によって学力の差が生じ、進学、就職に大きな影響を及ぼすことも知られている。読書は子どもたちに深い学びを与えるもので、読書量と学力は比例するとも言われている。ただ、経済的に厳しい家庭では本の購入は難しく、本が1冊もない家庭もあると聞く。さまざまな事情がある中、子どもたちに平等な教育の機会を提供するための支援が必要だ。
移動図書館「みどり号」は、図書館がなかった旧栗東町で1976年度に導入され、町民によって命名された。学校や住宅地を回って本を貸し出し、その後、86年に2代目、98年に3代目と引き継がれてきた。しかし2001年の市制施行後、栗東市が進めた新幹線新駅建設構想が頓挫して財政状況が悪化。2009年3月に運営が中止された。
みどり号の復活を望む市民の声は根強かった。「子どもたちに明るい未来を」の思いの下、市立図書館とクラブが議論を重ね、クラブ結成50周年を記念して移動図書館を復活させ、子どもたちが本に触れ合える機会の提供を目指すこととなった。移動図書館の車両購入には、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)のシェアリング交付金を充当した。
2月1日に市立図書館で寄贈式を開催し、16年ぶりに移動図書館「みどり号」が復活。集まった親子連れに披露して再出発を喜び合った。市立図書館の西村貴代美館長は「再開を待ち望んでいた」と感謝。田中会長は「読書は子どもたちに深い学びを与えてくれる。みどり号を活用し、多くの子どもたちに笑顔を届けてほしい」と期待を述べた。
新みどり号の車体は草原をイメージした緑色で、絵本作家あべ弘士さんに原画を依頼し、親子ライオンの姿が描かれている。テープカットの後、早速親子連れがみどり号に駆け寄り、目当ての本を選んでいた。みどり号は図書館所蔵の児童書500冊を載せ、月1回、市内の児童施設などを回ることになっている。
クラブでは今後、「くりちゃん子ども未来文庫」を創設し、地域の個人、団体、企業等から寄付を集め、本の購入の他、子ども向けの講演会、読み聞かせ会等、本と触れ合えるイベントの企画・開催を行っていく。
2025.03更新(幹事/上田忠博)