投稿リポート 会員企業での職場体験で
青少年の自立を支援

会員企業での職場体験で青少年の自立を支援
職場体験に向けた面談

334-A地区(柴田高志地区ガバナー)は、昨年度から自立援助ホームに入居する青少年に職場体験の場を提供する活動を展開している。自立援助ホームとは、事情により家庭に居られなくなった原則15〜20歳までの子どもたちが、社会での自立を目指し入居する施設である。家庭環境に恵まれなかった自立援助ホームの入居者に、職場体験を通じて人間関係を学び、自立のきっかけにしてもらおうと企画したもので、愛知県と名古屋市の後援を受けて活動している。

職場体験は地区内会員が経営する事業所で実施している。今年度、職場体験が実施された4社の事例を紹介したい。

1例目は、株式会社フロンティア(原口秀樹代表取締役/名古屋ウエスト ライオンズクラブ)傘下の「フロンティアの介護」が小牧市内で経営する有料老人ホームで、17歳の入居者が介護の業務を体験。現在は雇用に向けた動きが進んでいる。この若者は「介護の仕事がやりたかった。お年寄りとおしゃべりしたい」と話す。昨年度、この企業には334-A地区初の企業内クラブである名古屋フロンティアの介護ライオンズクラブが結成されている。

老人ホームでの職場体験

2例目の滝建設株式会社(西村博代表取締役/小牧ライオンズクラブ)では、18歳の入居者が現場監督のアシスタントを体験。「建築現場で働きたいと思っていたが、現場監督について知ることが出来て将来の夢に近付けた」と話した。3例目の飲食店Eng2(イングツー/林高弘社長/春日井けやきライオンズクラブ)では、17歳の入居者が配膳作業を体験し、現在はアルバイトとして働いている。4例目の防水・塗装施工を手がける株式会社中部レキセイ(古川朋美代表/春日井さくらライオンズクラブ)では、15歳の入居者が職業体験。終了後、施設長から「高校には行かず就職しようとしていた生徒だったが、高校に行った方がよいとの社長の言葉で進学を決めました。ありがとうございます」と感謝の言葉が寄せられた。

今年度は職場体験にとどまらす、すぐに雇用につながる例が多かった。大人を信じることが出来ない若者たちの心に寄り添い、歩調を合わせて仕事や社会の仕組みを伝えるライオンズメンバーの温かい気持ちが、彼らの心を開いたのだと思う。

334-A地区では職場体験を提供する企業を募集しており、現在までに参加表明した会員企業は27社に上っている。

2025.03更新(334-A地区子育て応援委員会委員長/三尾友貴美)

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