投稿リポート 伝統のカビゥトゥで
新春親子凧揚げ大会

伝統のカビゥトゥで新春親子凧揚げ大会

宮古島には「宮古凧」という伝統の凧(たこ)がある。長方形の凧の両辺に小さな三角形の紙を連ねて羽根のように貼り、空に揚げるとブィーンと独特の「鳴き声」を上げることから、方言で「カビゥトゥ(紙の鳥)」と呼ばれている。ゲームなどなかった昔は正月といえば凧作り、そして凧揚げ。宮古ライオンズクラブ(38人)の中にも「子どもの頃は毎年作った」と腕を鳴らす年配会員は少なくないが、糸の張り具合などによって揚げてみるまでその成否は分からない。そんな伝統ある宮古凧の継承を願い、当クラブは今年も1月12日、35回目となる新春親子凧揚げ大会を開催した。

当日は開始時刻を前に、手作りの凧を持った家族連れが続々と会場に集まってきた。無風に泣かされた昨年とは打って変わり、今年は上空での凧の迷走が心配されるほどの強風。糸を持って走り回るもなかなか浮揚しない凧あり、ようやく揚がるも風に暴れる凧あり、そうかと思えば、その強風をうまく味方につけて空高く安定して舞う凧もある。それぞれの凧には子どもたちの手で文字やイラストが描かれ、中にはカブトムシ型やボンボン時計型などの変わり種もある。それら個性豊かな凧が悠々と空に浮揚してゆく様も、この凧揚げ大会の見どころの一つだ。

大会の審査は、高く上がった凧はもちろん、デザインに優れた凧、アイデアが面白い凧、がんばったけれど上がらなかった凧など、さまざまな観点で評価。大人数の家族で参加したグループへのファミリー賞もあり、表彰式で受賞者を発表して表彰状と副賞が贈られる。名前を呼ばれて受け取りに来るのは決まって幼児か小学生だが、その後方でうれしそうな家族の笑顔が見える。とりわけ、凧作りに腕を振るったであろうオジィの笑顔は誇らし気だ。ちなみに、今年ファミリー賞を受賞したのは総勢9人で参加していた家族だった。

新春の風物詩として宮古島でずっと親しまれてきた凧揚げ。子どもから大人、オジィもオバァも家族みんなが「凧よ揚がれ」と願いを込め、晴れやかな気持ちで大空を見上げる。なるほど凧揚げが新年の行事にふさわしい訳だと改めて感じ入ると共に、これからも宮古凧の作り手を育て、家族そろって凧を空に揚げる機会を提供していきたい。

2025.02更新(会長/濱元雅浩)
*写真は2024年撮影

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