トピックス ナタール国際理事会報告

ナタール国際理事会報告

国際理事会は年に4回開催されます。第1回は国際大会直後、第2回は秋、第3回は春、そして第4回は国際大会直前です。今期の秋の国際理事会は、地球の裏側にあるブラジルのナタールで開催されました。私は10月9日に日本を出発し、アメリカのシカゴで乗り換えてブラジルのサンパウロに向かい、更に国内線でナタールに到着。三つの飛行機を乗り継ぎ、乗り換えの待ち時間を含めて36時間をかけて、「ブラジルで最も安全な街」と言われるナタールに降り立ちました。

初日は開会式と理事会が行われ、ファブリシオ・オリベイラ国際会長やパティ・ヒルLCIF理事長からの報告がありました。紺碧の海と白い砂浜、空を舞うパラグライダーといったリゾート風景を横目に、ビーチに足を踏み入れることなく、冷房で冷え切った会議室での5日間にわたる会議が始まりました。

2日目からの3日間は、各委員会に分かれて協議を行いました。私の所属する奉仕事業委員会では、奉仕活動という広範囲にわたる分野について多くの議題を協議しました。まず委員会予算の状況報告を受け、今後の見通しを検討しました。次に、全世界のクラブからの奉仕報告状況を分析し、奉仕報告ガイドラインについて協議しました。今年4月に新しいライオンポータル(LionPortal)での報告が始まり、まだ慣れないためか報告率は全世界的に低調ですが、新しいシステムがもっと浸透していけば向上すると見込まれます。また、テクノロジー委員会と合同委員会で報告率向上について協議し、ビデオによるライオンポータル使用法のPRや、英語以外の各国語対応についても話し合いました。

グローバル・アドボカシーについては、インドやヨーロッパのイベントの最新報告を受け、今後の国連未来サミットやクリントン・グローバル・イニシアチブ、COP29への参加、国連デーについても議論しました。

八つの奉仕のグローバル重点分野については、クラブ向けの具体的な資料の完成報告を受け、アラート・プログラムやライオンズ・キッズサイト・プログラム、ライオンズ・アイバンク・プログラムについても検討しました。また、小児がん、糖尿病、食料支援に関する情報と難民イニシアチブについての報告も受け、更に、YCEプログラムの「ベスト10委員長賞」にノミネートされたメンバーを検討しました。

来年度に開始を予定している奉仕週間については、2025年10月4~12日は「メンタルヘルスとウェルビーイング週間」、2026年2月7~15日は「食料支援週間」、2026年4月18~26日は「環境保全週間」として検討しています。

また、来期の地区ガバナーによる国連の持続可能な開発目標(SDGs)への支援や、新たな奉仕イニシアチブであるメンタルヘルスとウェルビーイング・サービス構想についても議論し、更に、「思いやりは大切なこと」奉仕アワードの最新情報と今後の展開についても協議しました。

奉仕事業委員会として理事会に提出する決議事項はありませんでしたが、副委員長として委員長と共に委員会を無事に終えることが出来ました。

理事会4日目の夜は、各委員会が協議した内容と決議事項がメールで各理事に配信され、夜のうちにそれに目を通します。なにぶんにも英語の報告書なので日本語に翻訳しながら目を通さなければならず、夜更けまでアルファベットと格闘することになりました。

最終日の午前中は、各委員会の報告を審議する審議会が開かれ、午後にはこれを決議する理事会と、閉会式が行われました。全理事会メンバーが集まり、各委員会からの審議事項と報告事項が発表されました。ロバート議事規則に従って決議が行われ、各地区やクラブへ報告されることになります。

日本のライオンズに特に関係する事項は以下の通りです。
・2025年の国際大会開催地がメキシコシティからアメリカ・フロリダ州オーランドに変更
・地震で被害を受けた能登半島の被災7クラブ(石川県・羽咋、七尾、穴水、輪島、中能登、能登、田鶴浜)への国際会費免除を、9月の豪雨被害のために2025年12月31日まで延長
・国際大会の投票期間のうち最終日の閉会式前までの投票を廃止
・GATエリアリーダーの資格の変更

国際理事会終了後は、地元ブラジルのライオンズによる奉仕活動に参加

約1週間の理事会日程が終わると、理事会の有志メンバーと共に奉仕活動に参加するため、バスで4時間かけて美しい夕日で有名なジョアンペソアに移動しました。奉仕活動の1日目は、パライバ眼科病院を訪れ、歯磨き指導の支援や医療物資の配布を行い、子どもたちへの奉仕イベントを開催しました。2日目はビーチで清掃活動を行いました。どちらを向いても目のやり場に困るような水着姿のリゾート客を横目に、炎天下で汗だくになりながら、散乱しているゴミを2人1組で拾い続けました。

そして、1日の休養を挟んでついに帰国の日が訪れました。往路と同様、サンパウロとシカゴを経由し、日付が2日進んだ10月23日に日本に到着した時には、街はすっかり秋の装いでした。

この2週間は、普段は経験出来ない土地や環境で多くのことを学びました。この経験を生かしてメンバーの皆さんのお役に立てるよう、今後も引き続きライオンズクラブのために力を尽くし、役目を果たしてまいります。次回の春の理事会はアメリカ・イリノイ州シカゴで開催予定です。

2024.11更新(国際理事/濱野雅司<埼玉県・岩槻ライオンズクラブ>)