獅子吼 行く人、来る人、
そして、戻る人

行く人、来る人、そして、戻る人

どのクラブも翠巒(すいらん/緑の山々)のきれいな梅雨明けの時期に新年度が始まり、新しい執行部が後を継ぐ他方、古参の友がクラブを去っていった。申し合わせたような毎年のこの習わしは、いかにメンバーの定着が難しいかを物語っている。一人のみならず複数のメンバーの退会ともなれば、クラブそのものに危機を招き、ひいては解散という最悪の事態にまで陥らせることにつながりかねない。

倉田雅史地区ガバナーの330-B地区10リジョン(山梨県)1、2、3ゾーン公式訪問及び合同例会が、8月27日に行われた。こうした合同の会合では懇意にしている他クラブのメンバーとも大いに談笑が弾むものだが、今年は大きな変化が感じられた。私は跛者(はしゃ/足の不自由な人)なので合同奉仕デーのような表立った活動に参加することはまれにしかないが、合同例会など昼飯を共にするような会合にはなるべく参加するように心がけ、普段のクラブ例会にも決まりごとのように参席だけはしていた。

今回の合同例会には、甲府南ライオンズクラブから会長と幹事の2人を含め5人の小所帯で参加し、力強いとは言いがたいライオンズローアの咆哮(ほうこう)を会場に響かせた。隣は当クラブのスポンサークラブの席で、20人近いメンバーで大いに盛り上がっているし、後ろでは当クラブからの転出も含むメンバーで結成されたまだ若いクラブも10人前後で出席し、それなりの盛り上がりを見せていた。

前後左右、知った顔が多いのは私なりの見知かもしれないが、かつて当クラブに在籍していた面々も多く、この6月に当クラブを退会した古参の友もその中にあった。私にあいさつに来てくれた元当クラブ会員が張りのある顔で参加している様子は、旧クラブでは力を発揮出来なかったことを象徴するようにも見え、古色の通例の常態化を表していた。

甲府南ライオンズクラブは28人のメンバーを数え、6人の女性メンバーが在籍する。この明眸皓歯(めいぼうこうし)の女性メンバーたちがクラブを明るい方向に導いてくれることに期待を寄せている。更に、今年になって新メンバー2人の入会を果たしたことは、今のクラブには最良の出来事かもしれない。

惜しむらくは退会者2人の引き留めに努め残留をお願いするも、既に彼らの意思は固く、考え直してもらえなかったことだ。また、それに伴いクラブ運営を混乱させたことは、大いに反省しなければならないだろうし、叱呵叱責(しったしっせき)、大いに身に及ぶことは限りない。後悔として残り、言いようもない寂しさを残しもした。ただ、それと入れ替わりに、旧知のメンバーが当クラブに再加入したことは、多少の杞憂(きゆう)は残っていたかもしれないが、時と共に、歓迎すべき事実のみが、目の前に開けてくるに違いない。
  
(2006年入会/72歳)

2024.11更新