投稿リポート 大鼓を通じて伝統に触れる
青少年育成事業

大鼓を通じて伝統に触れる青少年育成事業

高知鷹城ライオンズクラブ(36人)は10月5日、四国霊場第三十一番札所である竹林寺の書院において、能楽師・囃子(はやし)方大倉流大鼓(おおつづみ)奏者である大倉正之助氏を講師に招き、小中学生とその保護者を対象とした親子大鼓教室を開催した。大倉講師は大倉流大鼓を継承すると共に、国内外のアーティストと共演するなど、伝統の枠にとどまらない幅広い活動をしている。本教室は、普段接する機会の少ない大鼓の演奏を通して日本の伝統音楽や文化に触れてもらい、子どもたちの健やかな成長の一助となることを目指し、クラブ結成65周年記念事業として実施したものだ。

教室には小学2年から中学3年の児童生徒とその保護者、合計45人が参加。大倉講師から大鼓にまつわる話を聞いた後、各自が自由に大鼓を鳴らして練習を行い、その後、大倉講師の掛け声に合わせての演奏に挑戦した。

大倉講師からは大鼓の演奏方法だけでなく、大鼓に込められた日本人の精神や歴史について説明があった。大鼓の革は馬皮、胴は桜の木をくりぬいて出来ていて、自然の恵みから作られた楽器であること、近年は「調緒(しらべお)」と呼ばれる組ひもの原材料や演者の演奏の仕方が変わって伝統音楽も変化していることなど、たいへん勉強になった。

大鼓は音を鳴らすだけでも難しい楽器だが、大倉講師から「演奏は力ずくではなく、中指と薬指で優しくなでるように打つことが大切」「鼓の音は『調べ』といい、演奏には正しい方法も間違っている方法もない。全ての音がその人にしか出せないすばらしい音である」とアドバイスを受け、参加者はそれぞれの調べを響かせていた。

大倉講師の「よー」「ほー」というかけ声に合わせ、皆で呼吸を整えて大鼓を打つと、きれいに音がそろった。まさに調和の取れた演奏であり、打ち終わった参加者からは驚きと感動の拍手が沸き上がった。最後には、竹林寺の本堂で参加者全員による奉納演奏を行い、稽古の成果を御本尊様に聞いていただいた。

大成功を収めた教室の模様は、高知新聞、RKC高知放送などの複数メディアで取り上げられた。参加した児童生徒からも「やっていくうちに、いろんな音が出て楽しかった」「みんなで息がそろった演奏が出来てびっくりした」といった喜びの言葉が聞かれた。

高知鷹城ライオンズクラブでは今後も継続して、地域の子どもたちの健全育成につながる奉仕事業を企画していきたい。

2024.11更新(会長/中本雅章)

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