投稿リポート 未来への第一歩
思いやりCITYへようこそ

未来への第一歩 思いやりCITYへようこそ

10月27日、小松青雲ライオンズクラブ(41人)は小松市国際交流協会の協力を得て、当市に移住して間もない外国人の子どもたちを地場産業や文化施設、観光地を巡るバスツアーに招待した。

この事業は、外国籍の子どもたちが何事も積極的ではなく、いつも元気がないように感じていた一人のメンバーの思いから始まった。彼らにもっと明るく顔を上げて生活してほしい、もっと小松の街や人を好きになってほしいという思いだ。

日本では近年、人材不足が加速し、企業は労働力を補うために毎年多くの外国人を受け入れている。その子どもたちは、語学力が乏しいまま日本の小学校へ転入することが多く、コミュニケーションがうまく取れずに、学校や地域で孤立してしまうことが危惧される。

今回が第1回目のバスツアーには、ブラジル、マレーシア、パキスタン、インドネシア、中国出身の小学生計15人が参加した。野菜のオートメーション集出荷場、航空機展示場、大型建機展示場の見学の他、北陸新幹線の乗車、老舗旅館の温泉、科学館・サイエンスヒルズこまつで最新科学技術を体験するなど、地域の特色ある施設訪問と体験を通じて小松の魅力を感じてもらった。

参加した子どもたちの間にも言語や宗教、食生活の違いなどがあり、最初は戸惑いから少し緊張した様子だったが、体験ツアーが進むほどに興味しんしんで目を輝かせる場面が増え、自然と笑みがこぼれるようになった。そして別れ際に笑顔で手を振る姿には、子どもたちの意識の変化が感じ取れた。

初めての企画で何かと手探りで進めた事業ではあったが、普段、我々が見落としがちな外国人の社会的孤立の問題や多様性の受容など学ぶことが多く、クラブにとっても大きな収穫を得た事業となった。今は目に見える成果はわずかかもしれないが、思いやりのある地域づくり、未来の共生社会に向けて、小さな一歩を踏み出せたのではないかと思う。

能登半島での地震と豪雨災害の復旧作業には、現在多くの外国人労働者が携わっている。それでもまだ労働力不足の解消には程遠く、早期の復旧復興の足かせとなっている。我々の小さな活動が地域の外国人労働者の定着率を高める一助となり、復興の大きな力となることを願い、今後も可能な限り継続していきたい。

2024.11更新(会長/橋本光市)

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