ライオン誌日本語版ウェブマガジン

ライオンズクラブ国際協会の新しいイニシアチブ「ミッション1.5」。今年度、2年目に突入した。初年度となった2023-24年度の取り組みと結果を通して、以降の活動を考えたい。

2023年度のキックオフ会議においてミッション1.5の概要が発表され、その際に全リーダーの責任として、最低でも月に1度、全てのレベルで会議を実施するよう指示があった。334複合地区ではこれを真摯（しんし）に受け止め、鈴木誓男GATエリアリーダーを先頭に、地区ガバナー、複合地区GATコーディネーターと共に毎月第3金曜日に報告会を開催した。各準地区から複合地区への報告、またエリアリーダーへの報告にはGoogleフォームを使用し、以下を報告項目とした。

①期首会員数
②期末目標会員数
③月末会員数
④次月目標会員数
⑤次月予想退会者数
⑥期末目標新クラブ数
⑦期末予想解散クラブ数
⑧会員拡大に向けた地区の取り組み
⑨目標への進捗（しんちょく）状況
⑩成功事例、改善事項
⑪方針、やり方の修正
⑫要望、必要な支援

国際協会の集計によると、2023-24年度末（2024年6月末）の世界の会員数は133万8145人（期首から3579人純減）で、2027年7月までの150万人達成には今年度から毎年5万4000人の純増が必要である。昨年度の日本の結果は下図。各複合地区とも新クラブ結成、新会員獲得に大変なご尽力をいただき成果を上げたものの、残念ながらマイナスの結果となった。

334複合地区においても、会員数増減は644人の純減となった。新会員数の1472人は目標としていた人数の63％、退会者数の2116人は予想の103％だった。しかし、上記に紹介した取り組みがなかったとしたら、もっと大きなマイナスになっていた可能性が高かったことを付け加えたい。

今年度、私にとって最大の課題はミッション1.5の周知である。「なぜ会員増強をしなければならないのか！」「なぜミッション1.5？」といった声が多かったからだ。それが、各クラブが「会員増強への意思決定が阻害されている状況」や「行動を変えるきっかけを見付けにくい状況」に陥る大きな要因となっている。全レベルのリーダーが会員の「なぜ？」にしっかりと答える必要がある。ミッション1.5は協会のためでも地区ガバナーのためでもなく、各クラブの喫緊の課題である。奉仕団体として会員が増えれば、出来る奉仕も多くなる。ミッション1.5は、年々減り続ける会員数と、世界中の満たされていないニーズとの間にあるギャップを埋めるための私たちのグローバルな取り組みである。

クラブが存続するためには、成長し続ける必要がある。リーダーが絶えず積極的に新会員の獲得を心がけていない、成長のないクラブはやがて停滞し、毎年変わり映えしない行事を行うようになり、結果として会員は退屈して去り、クラブはゆっくりと消滅する。新会員は、クラブを画期的な新しい方向に向かわせる新たなスキルや経験、アイデアをもたらし、既存会員に新たな活力を吹き込む。結局のところ、会員数を増やしたいという思いがある場所で会員は増加する。成長するクラブには、いわゆる勧誘の文化があり、クラブの未来を確実なものにするためには新会員勧誘が必要だという信念を、全ての会員が共有している。

キーワードは「新会員を入れるのは新会員である」「キーパーソンを入会させる」。そのためにクラブは、若手メンバーにとって魅力があるか？　若手メンバーにリーダーとなる道筋を用意しているか？　奉仕を通じて若手メンバーを勧誘しているか？　若手メンバーを活動に関与させているか？　これらの準備を怠ってはならない。そして私たちはライオンであることのメリットをいかに伝えられるか。私たちは世界に向かって、我々が何者で何をしているか、なぜ我々に賛同し仲間に加わるべきなのかを伝えていかなければならない。

グローバル・メンバーシップ・アプローチ（GMA）の成功事例として、クラブ支部での会員拡大が報告されている。私たちが一つのアプローチしか使ってないとしたら、自らに限界を設けて他の選択肢を探そうとしていないからに他ならない。また、多世代で楽しむライオンズクラブ、家族ぐるみのクラブづくりにも積極的に取り組むべきであり、更には退会者をどう抑えるかも大きな課題である。チームが目標を達成し高い成果を上げるには、メンバーの意欲が不可欠だ。皆が心を開き、心のスイッチを入れ、自分たちのためにミッション1.5に積極的に取り組むことが求められる。

「人は誰しも誰かの役に立ちたいと思っています。ライオンズはその夢をかなえます。入会して、一緒に自分を変えてみませんか」
そう声をかけ続けよう。

2024.10更新（334複合地区GMTコーディネーター・会員増強委員長／中村通＜長野県･佐久ライオンズクラブ＞）