獅子吼 あなたの夢はなんですか?
山川敏之(福井みなとマリンLC)
私たちが暮らす福井県は、全国学力・学習状況調査、体力・運動能力調査、そして都道府県幸福度など、子育てや教育に関する領域において毎年のように上位にランクインしています。そうした背景から、福井県の教育におけるさまざまな試みは、全国から高い注目を集めています。
私はそのような福井県に生まれ育ち、地元の教育大学を卒業後、公立学校の講師を経て、個別指導を中心とした学習塾に講師兼管理職として勤務、そして2019年に独立起業して「一般社団法人福井ゆめ教育協会」と「教育支援ヒラーク」を設立しました。
塾講師時代、児童生徒、保護者らと接する中で、「学校に行きたくない」「経済的に苦しい」「発達に悩みがある」など、当県の輝かしい統計結果とは相反する、切実な悩みや苦しい生活環境をいくつも目の当たりにしました。そして「今日という一日一日が苦しい」「朝が来るのが怖い」など、困難を抱える子どもたちが会うたびに発する「心の言葉」が、痛烈に私に突き刺さっていました。
子どもの夢や希望、やりたいことほど、社会を、未来を明るくするものはありません。しかし現在、不登校、子どもの貧困、性的マイノリティーなど、さまざまな教育的課題の中で苦しんでいる児童生徒が大勢います。そうした困難の中でも、彼らが一歩一歩、自分のペースで歩みを進めていく力、自分の命を大切に育てていく力を育む源となるのは、心の底から湧き出る「夢や希望、やりたいこと」なのではないでしょうか。
私は「子どもたちの夢や希望、やりたいことを直接的に応援する」という強い思いを持って起業を決意し、児童生徒、保護者に寄り添える体制を整えた家庭教師団体として「教育支援ヒラーク」を設立しました。これと同時期に、東京を中心に活動している日本ゆめ教育協会が制作した「ワクワクゆめ教室」(文部科学省認定)という、学校にてキャリア教育の一環として行う出前授業を福井にも導入するため、「福井ゆめ教育協会」を設立しました。学校でプログラムを導入することで、より体系的に、自分の夢ややりたいことにじっくりと向き合い、未来に肯定的な思いを持って日々の活動に取り組む原動力を見付けられるようになります。
また現在、福井ゆめ教育協会の独自の取り組みとして、地域・企業・団体と連携し、地域の力で子どもたちの未来を支える体制を構築して、「母親支援」「不登校支援」「体験型活動」などの教育支援活動を展開しています。特に家庭教育、地域教育という観点から、地域のお母さんたちが中心となって運営している「母親支援」では、教育や子育てに関するさまざまな悩みを持つお母さんたちの心安らぐ場を作っています。認定心理士や看護師といった専門家とのお話し会や、家庭教育イベント、体験型イベントを自主開催するなどして、一人で悩む母親、同じ悩みを持つ母親が思い思いに率直に意見交換したり、専門家と話しをしたりする機会となっています。
私が所属している福井みなとマリン ライオンズクラブもまた、児童養護施設への寄付や、青少年サッカーチームを母体としたレオクラブの創設など、多様な青少年育成事業に尽力することで地域の教育力向上に貢献しています。
昨今の社会変化に伴い、教育に関する問題も大きく変化し、多様な課題が山積しています。未来を担う子どもたちのために、私たちライオンズクラブが直接的に出来る教育的支援は、まだまだあると思います。福井ゆめ教育協会もまた、地域・企業・団体と連携し、出前授業やさまざまな教育支援事業を通じて、子どもたちの夢ややりたいことを応援していきます。
(クラブ会計/2020年入会/44歳)
2024.09更新