投稿リポート 能登の子どもたちを
スポーツで笑顔に

能登の子どもたちをスポーツで笑顔に

福島信陵ライオンズクラブ(古川俊博会長/68人)は結成当初から青少年健全育成を柱として奉仕活動に取り組み、今年度で結成50周年を迎えた。その記念事業として、8月9〜12日に能登半島地震で被災した子どもたちを福島県に招待し、サッカー交流大会を開催した。

2011年3月に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故の後、福島県の子どもたちのために、全国のライオンズクラブやスポーツ競技関係者から数多くの温かい支援を受けた。全国各地へ福島の子どもたちを招待してくださる支援もあった。彼らは訪問先の子どもたちとの交流が何よりうれしかったと言い、その後10数年にわたって続くつながりも生まれている。

能登半島地震で被災した子どもたちのため、福島信陵ライオンズクラブとして何が出来るのかを話し合い、震災をしばし忘れてのびのびとスポーツを楽しみ、また福島の子どもたちと交流する機会をつくることだと考えた。これがクラブの50年の歩みと、先輩たちが連綿と築き続けてきた奉仕活動の継承になるとの思いで実施することにした。被災地のチームの選定は石川県サッカー協会に依頼し、七尾市で活動する「セブン能登ジュニア」の小学生19人を招待した。

8月9日午前10時から金沢市内で出発式を行い、334-D地区(富山県・石川県・福井県)の杉木徹地区ガバナー、岩崎弥一キャビネット幹事、七尾ライオンズクラブの杉原省会長と、当クラブの古川会長が出席。その後、子どもたちはバスに乗り込み、約7時間の長距離移動にもめげず元気に福島市に到着した。

翌10日の交流試合前に行った歓迎式には、332-D地区(福島県)の車田信彦地区ガバナーと当クラブ会員24人が参加。古川会長からは「しばし震災を忘れて思いっきりサッカーを楽しんでください」、車田地区ガバナーからは「福島での経験が一生の思い出になればと思います」と歓迎の言葉を贈った。セブン能登ジュニアの村田琉生主将(11歳)は「地震発生でなかなか練習出来ない中、サッカーが出来る日々が当たり前ではないと感じた。福島で貴重な体験をさせてもらえてうれしい」と話した。

交流試合初日の会場は、福島県営あづま総合運動公園。補助陸上競技場の天然芝ピッチで、福島、山形、石川各県から集まった小学5、6年生の8チームによる交流試合を行った。各試合後はそれぞれのチームの選手同士が交流する場面も見受けられた。試合の合間にはクラブメンバーが用意した福島特産の桃、キュウリ、トマトやアイスクリームが提供され、子どもたちはしばし暑さを忘れて味わっていた。

11日、楢葉町にあるサッカーの聖地Jヴィレッジで行った交流試合では、普段は日本代表選手が使用するピッチを使わせてもらった。岩手県のチームも参加して全7チームが参加し、初めてJヴィレッジに来たセブン能登ジュニアの選手たちは、全力でのびのびとプレーしていた。

試合終了後には、能登と福島の子どもたちの交流会があり、セブン能登ジュニアの選手へ福島の復興のシンボルである「起き上がり小法師(こぼし)」をプレゼント。励ましの言葉を交わし合って交流を深めていた。また、Jヴィレッジの協力により、震災発生当時にJヴィレッジが震災・原発事故処理の拠点になってから現在までの復興の歩みについて、映像を交えての講習もあった。

今回のプロジェクトは、当クラブ会員が今年1月中旬から数回にわたって能登の被災地へ訪れ、支援物資を届けたのをきっかけに話が持ち上がり、全会員の賛同を得て実現した。福島信陵ライオンズクラブは次の50年へ向けて、青少年や、災害被災地に寄り添う奉仕活動に力を尽くしていきたい。

2024.09更新(情報テクノロジー委員長・50周年広報担当/小川明広)