海外の活動 地震被災地で
新たな学校が新たな希望に

地震被災地で新たな学校が新たな希望に

2023年2月6日の未明、トルコ南東部のシリアとの国境付近でマグニチュード7.8の地震が発生した。これまでにトルコを襲った地震の中で犠牲者は最も多く、5万人以上が死亡。推定150万人が家を失った。トルコ・ブルサ市にあるブルサ・コザ ライオンズクラブの会員は即座に被災地支援に加わり、1000人の人々にスープや毛布、マフラー、ニット帽、手袋などを提供した。

同クラブは1999年にトルコ北西部で発生したマグニチュード7.6のイズミット地震の経験から、地震が子どもたちの教育に長期的な影響を及ぼすことを認識していた。そこで緊急支援と並行してそれについても検討を始め、「子どもたちに世界を贈ろう」という奉仕プロジェクトを組織した。

彼らが挙げたリストの中で特に優先順位が高かったのは、子どもたちが学んだり、遊んだり出来る安全な場所を確保することだった。いくつかの選択肢を比較検討した結果、耐久性があり、価格が手頃で、移動可能な大型コンテナを購入することにした。一時的な避難所やオフィスとしてもよく使用されるものだ。最初に購入したコンテナはすぐに子どもたちにとって特別なスペースになり、多くの本やベンチが置かれ、笑顔があふれた。自治体から教師も派遣され、子どもたちが安全に集まって笑い、遊び、学ぶことが出来るワンルームの学校になった。

この活動に対して、地域の人々からは高い関心と多くの感謝の声が寄せられた。その結果、ライオンズメンバーや多くの人々から更に寄付が集まり、ブルサ・コザ ライオンズクラブは4基のコンテナを追加購入。クラブはこれを持続可能な奉仕プロジェクトとして地域社会で展開すべきだと考え、118複合地区(トルコ)及びブルサ市ニリュフェル区と協力して、コンテナを長期間保管出来るコンテナ村が設置されることになった。コンテナ4基のうち2基がこのコンテナ村に、また被災した二つの村に1基ずつが届けられた。

こうした活動は、ライオンズが長年にわたり培ってきた青少年育成の知識と経験が、自然災害に遭っても迅速かつ効果的に発揮されるという証明である。

地震発生から1年以上が経過した今も、地震の被害が大きかった地域ではまだコンテナで暮らしている人がおり、コンテナ学校もある。ブルサ・コザ ライオンズクラブは、今後も災害援助と青少年支援をクラブの事業の中心に据え、より多くのコンテナを被災地に届けたいと考えている。

ブルサ・コザ ライオンズクラブのこの奉仕事業は、ライオンズクラブ国際協会の2022-23年度「思いやりは大切なこと」奉仕アワードを受賞した。

2024.09更新