国際財団 家を失った人々のため
衛生面のニーズに対応

家を失った人々のため衛生面のニーズに対応

オーストラリア・ビクトリア州メルボルンの南に位置するモーニントン半島。この地域では長年、住む家のない人たちの存在が大きな問題となってきた。家賃の高騰と深刻な住宅不足の影響で路上に追いやられ、ホームレスになってしまった人々は少なくない。201-V3地区のスティーブ・ボイス元地区ガバナーは「家を失った人々が直面している苦難を目の当たりにするのは、本当に心が痛みます。私たちは行動を起こし、助けを必要とする人々を支援しなくてはなりません」と話す。

サザン・ペニンシュラ・コミュニティー・サポート(SPCS)は、この地域で路上生活をする人は800~900人に上ると推計している。増加するホームレスの人々を支援するため、SPCSは地元自治体と協力して「サザン・ペニンシュラ・ランドリー・アンド・シャワー・プログラム(SPLaSh)」を開始した。

SPLaShは、家を失った人たちや極度の貧困状態にある人たちにシャワーと洗濯の設備を提供しているが、利用者の大幅な増加と下水処理能力の不足により、十分な支援を提供することが出来なくなっていた。また、モーニントン半島は公共交通機関が発達しておらず、施設から徒歩圏内にいる人しか利用出来ない状況にあった。

そこで201-V3地区のライオンズは、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)から人道支援マッチング交付金1万2613ドルを受け、SPLaShをアップグレードする支援に取り組むことにした。ライオンズは交付金で、シャワーと洗濯の設備がある移動式ユニットを購入。これにより利用出来るシャワーの回数を増やし、サービスの提供範囲を広げることが出来る。このユニットの活用により、支援を必要とする360人の人たちが年間を通じて爽快なシャワーを浴び、清潔な衣服を身に着けられるようになるとライオンズは見込んでいる。

こうした衛生面のサービスは重要なものだが、SPLaShプログラムは他にもさまざまな支援を網羅(もうら)している。ボランティアとして同プログラムを支えるライオンズは、食事の提供などを通じて利用者と接し、深いつながりを築いていく。それによって、利用者個人やその家族をメンタルヘルス、住宅、医療、法律面での支援に誘導することも出来る。プログラムを通じて育まれた関係が、より良いコミュニティーの構築に生かされるのだ。

ライオンズは LCIF交付金を活用して、コミュニティーを強化し、人々の生活を改善することが出来る。LCIF人道支援マッチング交付金とライオンズの人道的奉仕を支援する方法については、lcif.orgをチェック。

2024.08更新(国際協会配信 文/シェルビー・ワシントン)