トピックス 国際理事としての1年間と
メルボルン理事会の報告

国際理事としての1年間とメルボルン理事会の報告

2023年7月8日、ボストン国際大会開会式前日のビジネスセッションで世界中から集まった代議員の前に立ち、緊張しながら英語の立候補スピーチをしてから、あっという間の1年でした。

国際理事会は年に4回開催されます。1回目は国際大会で国際理事に選任された直後、2回目は秋、3回目は春、そして4回目は国際大会の直前です。国際理事会の構成は、国際会長、前国際会長(LCIF理事長)、第1副会長、第2副会長、第3副会長の5人からなる執行役員が運営の中心となり、2023-24年度は2年目理事が18人、1年目理事が17人、国際理事会アポインティ(会長指名の議決権のない理事会構成員)が5人おり、更に国際本部スタッフが出席します。これらの国際理事会構成員は12の委員会に所属し、それぞれの分野で担当スタッフを交えて協議し、理事会に審議事項や報告事項を上程します。

国際理事会の初日は、理事会構成員と同伴者が一堂に会する開会式があり、国際会長の方針や報告、アワードの授与などのセレモニーが行われ、その日の午後から各委員会に分かれて協議が始まります。2日目、3日目は終日委員会で協議し、審議事項や報告事項をまとめます。その間に他の委員会との合同会議や執行役員の訪問も受けます。各委員会で理事会へ上程する事項が決まると、理事全員にメールでその内容が配布され、その日の夜に他の委員会の協議事項等の資料に目を通しておきます。この夜に各委員会から届く英語のレポートを読むのが大変です。事前に理事会方針書も読んでおかなければ整合性が確認出来ず質問が出来ませんし、多岐にわたる分野の知識が必要とされます。そして、寝不足で迎えた翌日、最終日の午前中に全ての理事が集まる理事会の審議会に臨み、他の委員会の内容について疑問があれば質問します。午後からは全ての委員会の審議事項を決議して、閉会式となります。その決議や報告により理事会方針書が変更され、国際大会の総会に諮る審議事項や報告事項になります。

私は奉仕事業委員会に所属しています。奉仕事業委員会は、ライオンズクラブが世界中の地域社会や人々に奉仕するための全ての国際協会奉仕プログラムを管理するのが役割です。国際協会のグローバル重点分野(小児がん、災害援助、糖尿病、環境、人道支援、食料支援、視力保護、青少年支援)を始め、クラブ、地区、複合地区のための各種奉仕プログラムを評価し、方向性を検討したり理事会に提案したりします。また、ボランティア参加や行事、アドボカシーも監督し、更に国際的機関との連絡係として現状を理事会に報告するなど、非常に幅広い分野にわたることを協議する委員会です。今回のメルボルン国際大会では、委員会の一員として国連代表者会議に出席するなど、奉仕事業委員会に所属したことによって今まで経験しなかった分野や知らなかった事柄との出合いがあり、とても刺激的で勉強になった1年でした。

理事会や委員会という公式の場には通訳スタッフがいるので、コミュニケーションに不安はありませんが、それ以外の場所では勇気を振り絞り、度胸とテクノロジーの活用で何とか自力でがんばるしかありません。また、年4回の理事会の合間にはバーチャルの委員会が5回開催されました。出席者にはそれぞれ時差があり、日本の場合はほとんどが深夜になります。バーチャル委員会は「KUDO」というシステムを使用して同時通訳が入ります。前期の委員長はフィンランド語、副委員長はヒンズー語、私が日本語で、その他は英語というまさに多様性に富む委員会でしたので、同時通訳は必須でした。

6月にはメルボルン国際大会の前後に開かれる理事会出席のために、真冬のオーストラリアに約2週間滞在することになりました。大会直前の理事会では、各地区から提出されている紛争処理や会則変更などの多くの審議事項があり、予定時間をオーバーするほどの熱心な理事会となりました。会員数の地域ごとのバランスを考慮し、今後の理事会構成員の会則地域ごとの配分の変更が検討され、これは次回、2025年の国際大会の決議事項になります。

メルボルン国際大会はパティ・ヒル国際会長の掲げた「Changing the World(世界を変える)」の集大成でもあり、環境や奉仕事業に関するイベントや日本語セミナーを始めとした各種セミナーが多数開催され、あまり派手な演出や華美な装飾は行われず、その分、内容の濃い大会になりました。国際大会のパレードは、国際理事は用意されたゴール付近の観覧席から、最初から最後まで見ることになっています。私はこれまで日本のメンバーの一員として行進していましたが、初めて各国のパレードをじっくり見ることが出来ました。しかし、日本の隊列が近付いてきた時だけは、慌てて隊列に加わり、ゴールへたどり着いてから再び観覧席へと戻りました。パレードは歩くのもいいですが、見るのもとても楽しいものです。

2023-24年度は国際理事として、国内の各種公式行事の他、国際会長やLCIF理事長などの来日、各地区及び各複合地区の大会や研修会等への出席もあり、充実した1年を過ごさせていただきました。皆様のご支援とご協力に心から感謝しております。今期は2年目国際理事として、また奉仕事業委員会副委員長として、国際協会のため、そして地区やクラブ、メンバーのためにお役立てるよう尽力します。引き続きよろしくお願いいたします。

2024.07更新(国際理事/濱野雅司<埼玉県・岩槻ライオンズクラブ>)