トピックス "善意を広げよう"
メルボルン報告

“善意を広げよう” メルボルン報告

オーストラリア・メルボルンは世界で最も住みやすい都市の一つとして知られており、多文化が共存する豊かな生活様式を誇りにしています。そのメルボルンで開かれる国際理事会と第106回国際大会に出席するため、6月16日に成田国際空港を発ち、17日早朝にメルボルン国際空港に到着しました。この時期のメルボルンは日本の初冬のような、それなりに気持ちの良い気候です。

国際理事会の開会式は18日の朝9時から始まり、昼からは各委員会に分かれて実質的な討議が始まりました。財務及び本部運営委員会では財務指標の報告を受け、それに基づいてさまざまな検討が行われました。例えば、地区ガバナー予算の世界平均は約5400ドルで、この年間予算は過去の払戻額を元に国際協会が算出しています。これを、ガバナー自身が具体的なガイドラインに基づいて決定するようにしてはどうか、という検討が行われました。国際理事会は20日に閉幕しました。

21日には地区ガバナーエレクト・セミナーや、国際第3副会長候補者と国際理事候補者を指名する指名委員会会議、22日は華やかなインターナショナル・パレードが行われました。パレードでは各国がそれぞれ趣向を凝らして行進し、𠮷村弘吉大会委員長(335複合地区)が担当した日本の隊列が、デモンストレーションユニット部門で1位を獲得しました。ヤッタネ吉村委員長、おめでとう!

23日はいよいよ国際大会の開会式。今大会には世界中から約1万人が参加しました。会場のメルボルン・コンベンション&エキシビション・センターは、これまで見たことがないほど壮大な施設で、各所に「善意を広げよう(Grow the Good.)」のキャッチフレーズが掲げられ、すばらしい大会になると期待が高まりました。開会式ではパティ・ヒル国際会長の基調講演、国際平和ポスター及び作文コンテストの大賞受賞者の表彰などが行われました。日本からは1100人を超える参加があり、この日は日本語セミナーも開かれ、地区ガバナーエレクト、次期協議会議長を始め多くの会員が参加されました。より良い方向に向かう開かれた日本ライオンズの在り方なども熱心に議論され、日本はまとまりを持って運営されていくと感じました。

24日の第2総会では宇宙飛行士クリス・バドフィールドさん、海洋保全活動家のアレクサンドラ・クストーさん、テクノロジー起業家のマリタ・チェンさんらによるパネルディスカッションを聞きました。共に世界と地域社会をより良く変えていこうという前向きな訴えに、感動を覚えました。

そして大会最終日の25日、閉会式においてファブリシオ・オリベイラ国際会長が誕生しました。ブラジル出身のオリベイラ会長は母国語のポルトガル語で話されるので、通訳はなかなか大変そうです。新国際会長は就任後のスピーチで、「足跡をしるす」というメッセージを力強く訴えました。また、アフリカから立候補した2人の争いとなった2024-25年度国際第3副会長選挙では、ケニア出身のマノージ・シャー候補者が選出されました。発展著しいアフリカから、初めての国際会長が誕生することになります。

国際大会直後には新年度最初の国際理事会が開かれ、26日には各委員会でオリベイラ国際会長の方針の具現化や、委員会の目的、行動指針などを熱心に議論しました。その後は会長の優先事項の説明や理事会メンバーとのタウンミーティングなどが開かれ、オリベイラ国際会長を先頭にライオンズクラブが進む方向について共通認識を持ちました。

私は昨年に続いて財務及び本部運営委員会の所属となりました。そしてオリベイラ国際会長の任命により、同委員会の副委員長と、監査委員会の委員長に任命されました。大変な任務を負うことになり、責任の重さに身の引き締まる思いです。

国際大会後の理事会には1年目理事が初めて参加されます。財務委員会では理事会方針書にのっとり委員会の目的や役割などの説明や、昨年までの国際協会全体の財務に関する報告が、ケティ財務部長からありました。ケティは非常にスマートな女性で、的確な内容にいつも感心しています。

メルボルンには6月16日から28日まで滞在しましたが、ホテルと会場を往復するばかりで、観光をする暇は少しもありませんでした。せっかく片道10時間もかけて訪れたので、出来れば1日ぐらいはゆっくりメルボルンの街を楽しみたかったです。少し疲れました。

2024.07更新(国際理事/城阪勝喜<大阪港ライオンズクラブ>)