獅子吼 ライオンズ発展のため
必携の改善を

ライオンズ発展のため必携の改善を

世界的に猛威を振るった新型コロナウイルス感染症もようやく収束しつつあるようですが、この間に世の中は大きく変わったように思います。

私は2011-12年度に334-A地区(愛知県)8リジョン1ゾーンのゾーン・チェアパーソンを務めました。2011年3月に発生した東日本大震災の直後の年度です。私は被災したライオンズの仲間を少しでも支援したいと考えましたが、ゾーン内各クラブの会長は実績ある継続事業を途切れさせないことを重要視しており、思うように被災地支援を優先させることが出来ませんでした。

この年度は、同じ334複合地区にある岐阜県・美濃加茂ライオンズクラブ所属の山田實紘元国際会長(2015-16年度)が国際第2副会長への立候補を表明された年でもありました。2013年6月にはその選挙が行われるドイツ・ハンブルクでの国際大会に代議員として参加し投票。晴れて山田實紘国際第2副会長が誕生したことを喜びました。それ以来、私は国際大会には6回参加し、日本と外国のクラブの在り方、特に奉仕活動の実施方法などの違いを実感し、これまで当たり前だと考えていたことを別の視点で見直すようになりました。

現在、日本のライオンズクラブが置かれている状況を、私は次のように捉えています。
①世の中の変化によって一緒に地域を住み良くする人(仲間や市民)が以前とは変わっており、新しい人に合った取り組みが必要
②30年ほど前から、国際会長は就任時に「会員増強」を掲げている。組織の発展は会員数の増加が示す
③日本の会員数は減少し続けている
④新会員を迎えても、すぐに退会してしまう人が多い
⑤過去の活動実績に執着し、同じことを繰り返している
⑥奉仕する地域の状況をライオンズ会員が知らなすぎる
これらは、ライオンズクラブ運営の基礎となる事項であり、改善のために最優先で取り組む必要があると思います。社会の変化に対応しましょう。

さまざまな課題がある中で、『ライオンズ必携』(以下、必携)について提案したいと思います。まずもって、これまで各複合地区会則委員長の皆さんが、日本のライオンズクラブが円滑に、仲良く運営出来るように作成されてきたご努力に、深く感謝を申し上げます。

必携の役割は、各クラブが運営の基礎的事項を見直す際に改善の指針となることではないでしょうか。現在の必携に収められている項目を見ると、全ての会員が全項目を熟知していなければならないわけではなく、「役職に付く会員」と「新会員」にそれぞれ必要と思われる内容に大きく分かれます。そこで「イ:新会員用項目」と「ロ:役職会員用項目」に大別して集計してみると、「イ」は全体の約7割、「ロ」は3割でした。以上のことから、「イ」は新会員のオリエンテーション用、「ロ」は委員長以上の役職予定者(希望者)の研修用として、2冊に分冊することを提案します。

分冊に当たっては、項目の追加や改良も必要になります。追加項目として欠かせないのが次の2点です。
①どこのライオンズクラブにも必ずスポンサークラブがあり、また国際協会からライオンズクラブとしての認証を受けており、協会の会則を守らなければならないこと
②各ライオンズクラブの総責任者はクラブ会長だが、「ウィ・サーブ」を実現するためには理事会や委員会等の会議を上手に進めることが不可欠で、そのために「ロバート議事規則」の概要説明がほしい

必携を改善することによって、ライオンズクラブが更に発展していってほしいのです。入会して「楽しい」「勉強になる」「友達が出来る」など、ライオンズライフが豊かになることが最も大切です。我らがライオンズクラブには、市民から「地域でなくてはならない団体」と言われるようになってほしいと願っています。
 
(元ゾーン・チェアパーソン/1981年入会/84歳)

2024.06更新

●関連情報(一般社団法人日本ライオンズ ウェブサイト)
『ライオンズ必携 第61版』Web版