国際財団 2022-23年度
LCIF年次報告

2022-23年度LCIF年次報告
パラグアイのライオンズが支援する小児がん病棟を視察するアレキサンダーLCIF理事長

理事長メッセージ


人道支援を信じる仲間の皆様へ

2022-23年度の1年間、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)の理事長を務めさせていただいたことを心からうれしく思います。世界中でさまざまな課題に直面し続ける中、ライオンズはいつも柔軟に立ち向かい、LCIFのグローバル重点分野の全てにおいて重要な取り組みを支援してきました。この年次報告書では、皆様のご支援のおかげで実現した、人生を変える力を持った奉仕の事例をいくつかご紹介します。そのような奉仕を知って私が心を動かされたように、皆様の心も動かされることを願っています。私たちのグローバルな財団であるLCIFによって力を得た心からの奉仕を通じて、私たちは世界を変える貢献をしているのです。

共に奉仕を

ダグラス・X・アレキサンダー
ライオンズクラブ国際協会 元国際会長
2022-23年度 ライオンズクラブ国際財団 理事長




心からの感謝


アメリカ・マサチューセッツ州ボストンで開催された第105回国際大会で、ダグラス・X・アレキサンダーLCIF理事長は、世界中から寄せられた惜しみない寄付により、LCIFはこの年の当初目標であった5000万ドルを超え、その後、より挑戦的な目標として掲げられた5500万ドルをも大幅に上回る寄付実績を上げたことを発表しました。理事長は「ライオンズは期待に応えるばかりか、いつもそれをはるかに超えていきます」と話し、最終的に6800万ドル以上の寄付実績を作り上げた喜びを皆と分かち合いました。LCIFに寄付してくださった全てのライオン、レオ、クラブ、地区、複合地区、そして、その他のLCIFを支援してくださる多くの団体や個人の皆様に心から感謝いたします。あなたの寄付は、世界をより良くするために貢献しています。



LCIF交付金が世界にもたらすインパクト


モンタナでの糖尿病との闘い
アメリカ・モンタナ州のライオンズは、モンタナ糖尿病青少年連合と協力し、LCIFから提供された4万ドルの糖尿病交付金と5000ドルの地区及びクラブシェアリング交付金を活用して、4泊5日のキャンプを企画。参加者が糖尿病を自己管理し、リーダーシップのスキルを身に着け、仲間同士でサポートネットワークを構築出来るよう支援しました。キャンプ開始後の最初の2年間に、8歳から17歳までの約200人の子どもが参加しています。子どもたちとその家族は、糖尿病の管理と栄養に関する貴重な学習の機会を得て、さまざまなリソースの活用について学ぶことが出来ました。

カナダでの学校朝食の提供
レイク・レノア ライオンズクラブのメンバーたちは、LCIFから1882ドルの地区及びクラブシェアリング交付金を得て、地元の学校で「学ぶための朝食」プログラムを実施しました。1年間にわたり、毎週火曜日と木曜日の始業前、94人の子どもたちに栄養のある朝食を提供して支援しました。

小児がん患者に新たな希望を届ける
パラグアイで高い評価を得ているアコスタ・ニュー小児病院では、子どもの治療を求める家族の数がこの4年間で2倍になりました。この病院の小児がん病棟では、毎日25人の子どもたちに化学療法を行っていましたが、病院には化学療法用のリクライニングチェアが13台しかありませんでした。アスンシオン ライオンズクラブは、LCIFから3万7203ドルの交付金を得て、診療所に7台のリクライニングチェアを追加することにより、医療スタッフによる治療の拡大を支援しました。また、患者が快適に過ごせるようにベッド5台とそれらに備え付ける家具も新たに整備しました。

大災害被災者への支援
トルコのライオンズは、LCIFから提供された300万ドルの用途指定交付金により、震災で壊滅的な被害を受けた被災地の再建と復興を支援し続けることが出来ます。支援プロジェクトでは、女性や子どもたちのために、アンタキヤ、アダナ、メルスィンの3カ所でライオンズ社会センターを建設しました。これらのセンターは、子どもへのデイケア、女性には職業訓練や手工芸品販売の機会を提供する他、ライオンズの啓発活動などさまざまな目的で活用されています。

韓国での移動ランドリー車の支援
LCIFの人道支援マッチング交付金5万5638ドルの提供を受け、355-A地区(韓国)は、極度の貧困に苦しむ「チョクパン村」(チョクパン=1人が寝起き出来るほどの小部屋)で福祉活動に取り組む非営利団体「セマウル」に移動ランドリー車を寄贈しました。業務用洗濯機と乾燥機を備えた3.5トンのトラックは、セマウルのスタッフにより週5日稼働し、年間約1000世帯が利用出来ます。

震災後の学校再建
ネパールで2015年に発生した地震では、約900人の人々が死亡し、数十万戸の家屋、学校、商業ビルが倒壊しました。ライオンズはLCIFから総額460万ドルの用途指定交付金を受け、この地震によって壊滅的な被害を受けた地域の人々への支援として、この8年間に学校18校の再建に取り組んできました。そのうち13校は人力で資材を運ばなければならない場所にありましたが、ライオンズは決して諦めませんでした。

火山噴火被災地への水の提供
2021年の年末、トンガで巨大な海底火山が噴火し、甚大な被害をもたらしました。噴火のニュースが届くやいなや、上空から撮影された村の悲惨な光景や深刻な被害の様子がメディアで一斉に流れました。地元のライオンズは、海底の隆起ですっかり変わってしまった海岸線の様子を目の当たりし、地域の人々を支援しなければ、という強い思いを抱きました。202-K地区(トンガ)のライオンズは、LCIF及びトンガ赤十字と協力して、被災地への飲料水の供給に取り組み、LCIFから2万4100ドルの用途指定交付金を受け、三つの島の公立学校に雨水を貯めるタンク9基を設置しました。

眼科治療へのアクセスをより多くの人々に
411-B地区(ウガンダ)のライオンズは、聖フランシス・ンサンビャ病院の視力クリニックを増改築するためにLCIFから視力ファースト交付金の支援を受けました。ライオンズは末日聖徒チャリティーズやLCIFとパートナーシップを組み、診療所を拡張して十分な診療スペースと設備を提供し、白内障手術、糖尿病網膜症検査、学生の健康診断における診療所の医療提供能力を飛躍的に向上させました。この支援により、外来患者の診察件数が年間2800件から8100件に増加すると見込まれています。LCIFと末日聖徒チャリティーズは共同で、カンパラ首都圏における包括的な眼科医療サービスを拡大するために42万ドル余りの資金提供を行っています。

ハートとマインドを育てる
2020年3月、アメリカ・イリノイ州カルメットシティーのリンカーン小学校は、LCIFのライオンズクエスト・コミュニティーパートナーシップ交付金を活用し、ライオンズクエストの青少年育成・教育プログラムを初めて実施しました。新型コロナウイルスのパンデミックにより学校の教育がオンライン学習に移行し、児童と教師の意思の疎通に影響が生じる中で、このプログラムが特に役立ったと教員たちは評価しています。対面授業が再開されるとライオンズクエスト・プログラムを実施し、教室に戻ってきた在校生やこれまでに一度も対面で授業を受けたことのない児童たちが新しい環境に適応出来るように支援しました。ライオンズクエストは、教師にとっても仕事の負担軽減に役立ちます。この学校では、今も引き続きカリキュラムの重要な一部としてライオンズクエストを取り入れています。





あなたのグローバル財団のアンバサダーとして


私たちは、LCIFへの寛大なご支援で、未来につながるインパクトをもたらす力を与えてくださっている寄付者の皆様に深く感謝しています。皆様からの寄付は私たちを勇気付け、世界中の人々の生活を変え、ライオンズやレオの仲間たちの模範となります。皆様はLCIFに寄付し、その使命を支援するLCIFのすばらしいアンバサダーなのです。LCIFのインパクトに関するいろいろなストーリーを共有することで、更に多くの人々が私たちの活動を理解し、ライオンズ主導の奉仕を更に推進することが出来ます。

「ライオンズクラブ国際財団(LCIF)日本」サイト https://lcif.jp/ でLCIFの年次報告書をご覧いただき、共に世界にインパクトをもたらしましょう。寄付の方法もさまざまです。こちらからご確認ください。

2024.06更新(国際協会配信)