編集室
被災地で出会った
真のライオン
ライオン誌日本語版委員 渕野二三世
4月9〜10日の2日間、ライオン誌日本語版委員として能登半島地震被災地を取材する貴重な機会を頂きました。現地に行って感じたのは、まさに想像を絶する状況だったということです。実際に目にした被災地の惨状には、あ然とするばかりでした。大地の震動という自然現象が引き起こす災害に対して、私たち人間は科学や技術の力を持って立ち向かってきましたが、とても太刀打ち出来ないことを思い知らされた2日間でもありました。
私は今回、主に二つの目的を持って取材に赴きました。一つはライオン誌の委員としての務めを果たすこと、そしてもう一つは、Facebookでつながった石川県・能登ライオンズクラブの山本明人さんに会って、直接お礼を伝えることでした。日々被災地から情報を発信し、行動する山本さんの姿に感銘を受けたのです。自身も被災者でありながら、甚大な被害を受けてぼうぜん自失に陥っている住民一人ひとりに明かりをともしたいという思いで、ただひたすらに行動してこられたとのことでした。私にはとてもまねすることの出来ない崇高な姿がそこにはありました。
能登とは遠く離れた九州からでも能登を支援する方法があることを山本さんから教わり、337-B地区(大分県・宮崎県)年次大会で能登の物産販売を行い、完売することが出来ました。今回の取材で初めてご本人にお会いし、その深い優しさと目的に向かう強い信念に触れ、握手をした手の温もりから包容力と寛容な人柄を感じました。我がことよりも他者への「We Serve」を実践している「真のライオン」だと言えるでしょう。
私と山本さんの共通点は、ライオンズに誇りを持っていること、そして武道の有段者であること。山本さんが私のことを「師範」と呼べば、私は「押忍(おす)」と答えます。そんなすてきな出会いが、私の大切な宝物となっています。
2024.05更新(ライオン誌日本語版委員/渕野二三世<大分ライオンズクラブ>)