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バンクーバー国際理事会
報告
国際理事 濱野雅司
春の国際理事会は、カナダの美しい自然に囲まれた都市バンクーバーで3月16~19日の日程で開催されました。3月のバンクーバーでは珍しく、天気が良く暖かくて過ごしやすい中での理事会でした。
初日は午前中の開会式の後、各委員会に分かれ協議し、17、18日も引き続き終日委員会で、19日の午前中に全体会議が開かれ、午後の閉会式で理事会は終了しました。理事会中の開会式、夕食会、閉会式では冒頭にInvocation(お祈り)の習慣があるのですが、開会式でのお祈りの役には思いがけないことに私が指名されました。日本人にとっては慣れないお祈りを何とか英語で行い、これも貴重な経験となりました。
私の所属する奉仕事業委員会では、下記のように非常に盛りだくさんの検討課題があり、3日間かけて協議しました。
1. 委員会予算
2. クラブからのアクティビティ報告
3. グローバル・アドボカシー
4. グローバル重点分野に関するアンケート結果
5. グローバル重点分野の奉仕プログラムとリソース
6. 「思いやりは大切なこと」奉仕アワード
7. アースデイにおける奉仕活動
8. 旅行を通じて海外のクラブ訪問と奉仕事業への参加による奉仕活動の促進について
9. 世界奉仕週間の検討
10. 地区ガバナーの国連の持続可能な開発目標(SDGs)への支援について
クラブから国際協会への奉仕報告については、現在は世界の62%のクラブが報告していますが、残念ながら日本が所属する東洋東南アジア(OSEAL)地域は48%にとどまり、八つの会則地域の中で下から2番目の低さです。ただ日本は73%なので、日本以外の報告率を上げるのが課題です。報告率が低いとその奉仕分野を正しく評価出来ず、今後の国際協会の方針にも影響してしまいます。どうか日本の皆さんはこれまで通り、国際協会へクラブ奉仕事業をきちんと報告してください。そして、5月から本格始動する新しいデジタルツール「Lion Portal(ライオンポータル)」により、報告率が更に向上することを期待しています。
八つのグローバル重点分野(小児がん、糖尿病、災害支援、環境保全、人道支援、食料支援、視力保護、青少年)についてのアンケートでは、全世界のメンバーがおおむね良い評価をしており、引き続きこれらの分野への奉仕活動を推進していきますが、新たな分野としてメンタルヘルスとウェルネスの追加が検討されています。
グローバル重点分野の一つ、青少年分野の奉仕プログラムにおける2022-23年度トップテン・ユースキャンプ及び交換(YCE)委員長賞の発表があり、日本からは334複合地区の川嶋秀典YCE委員長が受賞しました。また2022-23年度「思いやりは大切なこと」奉仕アワードでは世界の全複合地区から応募された85の奉仕事業の中から、奉仕事業委員会が30の事業を選定。日本からは宮城県・仙台萩ライオンズクラブの「居場所バー」、北海道・北見白樺ライオンズクラブの「ヘアドネーション」、東京ピース ライオンズクラブの「キッズドア 八丁堀医療コース食事支援」の三つの事業が受賞しました。おめでとうございます。
また今後の検討事項として、地球環境について考えるイベントが世界中で開催されるアースデイ(4月22日)を奉仕の機会にすることや、アラートプログラムの復活、奉仕週間への取り組み、海外旅行を通じたクラブ訪問や事業での体験学習などが継続協議となりました。
奉仕事業委員会以外で検討された特記事項としては、第2副地区ガバナー候補者の資格条件の変更に関する会則改正案や、新しいデジタルツール・ライオンポータルが世界では4月15日から順次開始されることなどがあり、理事会で決議や報告が行われました。
昨年秋の理事会と今回の春の理事会の間には、リモートでの委員会が何度も開催されました。メルボルン国際大会直前の次回理事会までにも、同様に多くの話し合いが持たれる予定です。これらが国際理事会で決議され、全世界のライオンズクラブへ発信されることが分かり、改めて国際理事としての責任の重さを実感しています。これからも全世界の地区、クラブ、メンバーのためにライオンズクラブの課題を真剣に検討し、また同時に、常日頃から地区やクラブ、メンバーの皆さんの声を受け入れる準備をして、それを国際協会に届けていけるよう尽力いたします。ライオンズに関するご意見やご質問がございましたら、遠慮なくご連絡ください。メンバーの皆さんのために一生懸命努力いたしますので、引き続きよろしくお願いいたします。
2024.04更新(国際理事/濱野雅司<埼玉県・岩槻ライオンズクラブ>)