国際財団 過酷な旅に挑む
小児がん患者と家族に奉仕

過酷な旅に挑む小児がん患者と家族に奉仕

世界保健機関(WHO)によると、毎日1000人を超える子どもが、がんと診断されている。小児がんは治療可能な病気だが、その結果は多くの場合、患者が適切な医療や援助を受けられるかどうかに左右される。がんとの闘いは、小児がんの子どもとその家族にとって過酷な旅となる。

世界中のライオンズは、このつらく厳しい旅に挑む家族を支援しようと、独自の方法を見いだしてきた。ブラジルのリベイロン・プレトのライオンズは、より多くの人をサポートするために、小児がん支援グループ(GACC)の施設拡張を支援することにした。GACCは、クリアンカ病院でがん治療を受ける子どもたちに宿泊施設を提供する非営利団体だ。GACCが運営するサポートハウスは一度に最大15人の子どもを収容出来、年間約250人の子どもを受け入れてきた。

ブラジルのLC6地区は、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)から小児がん交付金8万602ドルを受け、施設の拡張プロジェクトに活用している。この事業に直接関与したのは、リベイラン・カンポス・エリシオス、ベイラン・プレト・イピランガ両ライオンズクラブだ。プロジェクトが始まる前、サポートハウスに入院している子どもに付き添える家族は1人だけだった。ライオンズは、子どもたちが困難を乗り越えようとしている間、家族からより多くの支援を得られるようにしたいと考えた。また、子どもに最期の日が訪れようとしている場合には、家族が共に過ごし、貴重な瞬間を共有出来る機会をつくることが重要だと認識していた。

ライオンズは、ベッド2台とバスルームがある三つの部屋と、バルコニーとリビングルーム、パントリー、教室、従業員用の屋外バスルームを含む共用部を備えた新しいスペースの建設に取り組んでいる。これが完成すれば、年間で更に27人の小児がん患者とその同伴者がサポートハウスを利用出来るようになる。

このプロジェクト以外にも、ライオンズは小児がん罹患(りかん)によって苦しむ人々への理解を高めると共に、彼らに対するライオンズの支援がいかに有益であるかについて、地元メディアやソーシャルメディアを使って広報活動を実施。ライオンズと共に手を携えて困っている人々を助けようと地域社会に呼びかけた。

ライオンズとレオは、このような影響力のある奉仕活動やLCIF交付金の支援を通じて、小児がんの子どもと家族のニーズに応えている。GACCの施設拡張でより多くの家族が、がんに立ち向かうことが出来るようになるだろう。

2024.01更新(国際協会配信 文/シェルビー・ワシントン)