トピックス 日本のライオンズクラブ
発展のために

日本のライオンズクラブ発展のために

本年度、理事の互選により一般社団法人日本ライオンズの理事長を拝命しました。最近、日本のメンバーの中で、外に優しく内に厳しく振る舞う場面を目にすることが多々あります。「外」というのは主にライオンズによる奉仕の受益者、「内」は国内のメンバー(特に役職経験者)のことです。本来、奉仕のために使うべき時間や労力を仲間同士の争いに費やし、誹謗(ひぼう)中傷や社会的信用をおとしめる行為、ポスト争い、複合地区・地区の役職への固執に腐心する様は、奉仕団体の会員としてあまりに恥ずかしく、見苦しい姿だと思います。

ライオンズクラブは多様なメンバーがいる組織なので、考えの違う人や相性の悪い人もいるでしょう。また、活動をしていく上で、間違いがあったり、力不足なところがあったりもするでしょう。「外」の人に過ちがあっても、我々は快く許すはずです。なぜ同じライオンズの仲間が相手だと許すことが出来ないのか、歩み寄ることが出来ないのかと、不思議に思います。

ライオンズクラブに入会した21年前、私は27歳でしたが、当時80歳で多くの役職を経験された大先輩から「会員は皆同じ額の会費を払い、『ウィ・サーブ』の精神で集まっている仲間であるから、年齢・性別・職業などにかかわらず対等である。臆せずがんばれ」と教わり、大変感銘を受けました。以来、年長者を敬いながら、拝命した役職の責任と権限の範囲内で、思い切って活動してきました。

今、一般社団法人日本ライオンズには解決しなければならない問題が山積しています。私は同期地区ガバナーの中でも、前・現議長の中でも最年少の若輩者であり、都会から遠く離れた本州最北端の県出身の理事長です。なぜこの時期に、経験においても、地理的利便性においてもハンディのある私が推挙されたのか、分かる気がします。既存の問題の多くは、コミュニケーション不足や誤解、勘違い、思い込み、わがままが原因で生ずるものです。よって、問題解決に導くリーダーに「偉い人」は向かず、最年少で田舎者の私ならば頭を下げ、周囲の理解を得ながら運営するだろうと、期待を込めての推挙だったのでしょう。

一般社団法人日本ライオンズは八つの複合地区の議長が集まり、日本国内のライオンズが力を合わせることによるスケールメリットやシナジー効果で、より多くの人に奉仕するという崇高な志の下に設立された法人であります。歴代の先輩方が苦労して作り上げてきた当法人の仕組みを有効に活用し、会員が自信と誇りを持って奉仕出来るように、それを一般の方々に広く認知してもらう機会を創出出来るように、ポジティブに意識を変えていくべきです。何のためにライオンズに入会したのか、何のために役職(責任と権限)に就いたのかを思い出し、我々の力を必要とする人々のために思いを集中しましょう。

私は今期、全ての問題を解決するつもりで社団改革に取り組んでまいります。そのため、謙虚に、丁寧に、かつスピード感を持ち、しがらみにとらわれずに柔軟な発想で、対話と調整を進めます。「友愛と相互理解」の精神を大切にしつつ、日本のライオンズクラブ発展の一助となれるよう、リーダーシップを発揮することをお約束いたします。

2023.10更新(一般社団法人日本ライオンズ理事長/田名部智之<青森県・八戸ライオンズクラブ>)