投稿リポート 40年続く車いす
バスケットボール大会

40年続く車いすバスケットボール大会

久留米りんどうライオンズクラブ(大中和彦会長/65人)は、9月2、3日にりんどう杯車いすバスケットボール九州大会を開催した。これは1984年から続く青少年健全育成事業の一つで、久留米市内で活動していた車いすバスケットボールクラブから「チーム数が少なく、試合機会もあまりない」という悩みを聞き、当クラブがその機会を設けようと開催することになったものだ。少しずつではあるが、この大会を通して車いすバスケが市民にも知られるようになったと自負している。

大会は毎年8月下旬から9月上旬に、2日間にわたって開催する。初年度の参加は4チームだったが、回を重ねるごとに増え、多い年は16チームにもなった。選手たちからは、この大会に参加するのを目標に練習に励んでいるという声も聞く。コロナ禍により3回の休止を余儀なくされたが、ようやく無事に開催出来た今年は第40回を迎え、九州各地や山口県から12チームが出場して熱戦を繰り広げた。選手の年齢は10代から70代と幅広く、構成も男性チーム、男女混合チーム、女性チームとさまざまだ。出場選手の中から、パラリンピアンも誕生している。 本大会には共催や後援として、福岡県、福岡県教育委員会、久留米市バスケットボール協会、一般社団法人日本車いすバスケットボール連盟、九州車椅子バスケットボール連盟、公益財団法人久留米市スポーツ協会、社会福祉法人久留米市社会福祉協議会、公益財団法人久留米観光コンベンション国際交流協会、ちくご菜の花ライオンズクラブが名を連ね、またたくさんの企業が協賛広告を出してくれ、組織の垣根を越えて一丸となって取り組んでいる。

大会では近郊の高校生に会場設営係やオフィシャル大会補助員として手伝いを依頼。また久留米市内の中学生を招待して試合観戦や選手の応援をしてもらう他、車いすバスケ体験教室も実施する。車いすバスケを通じて、スポーツのすばらしさや、体に不自由があっても好きなことに前向きに取り組む選手の力強さに触れてもらうためだ。体験教室で初めて車いすに乗ったという生徒がほとんどで、通常のバスケとのルールの違いや腕の使い方など、車いすバスケットならではの楽しさ、おもしろさを知り、競技への興味や理解を深めているようだ。大会を盛り上げるため、ハーフタイムショーとして地元の子どもたちによるよさこい踊りも披露される。更に後日、中学生が撮影した試合写真の展示や、感想文集の発行もしている。

大会準備の段階では、主催者である当クラブは会場の使用申請や共催・後援の依頼、あいさつの依頼、来賓の招待、チームへの案内送付、パンフレットやポスター、プラカード、垂れ幕などの作成、駐車場案内整備などに奔走する。4年ぶりの開催となった今回は、長かったコロナ禍により社会経済が不安定になった影響で協賛企業の広告費削減などによる資金不足が予測されたため、会員の提案でクラウドファンディングを行った。目標額を100万円としたが、全国から予想を上回る112万3000円の寄付を頂き、来季の大会も開催出来る見込みとなった。 ライオンズクラブの諸先輩から引き継ぎ歴史を重ねてきた車いすバスケットボール大会。これからも運営方針や資金面での工夫を重ねていく必要があるだろうが、クラブのメンバーが力を合わせ、また多くの人を巻き込んで共に前進していきたい。
 
2023.10更新(第2副会長/寺崎正弘)

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