獅子吼 笑顔が生まれる
おもちゃ病院

笑顔が生まれるおもちゃ病院

基山(きやま)ライオンズクラブは20余年にわたり「おもちゃ病院」という奉仕活動を続けています。壊れてしまった大切なおもちゃを治療するというもので、2013年3月に病気で亡くなられた当クラブの故音納貞夫さんが、福岡県大宰府市の「いきいき情報センター」でされていたおもちゃのドクターの活動を、基山町でもスタートさせました。現在活躍されているおもちゃのドクターは5人。皆定年後に、好きな機械いじりの技術を生かすなどして始められた方たちで、ライオンズのメンバーではありませんが当クラブの活動に協力してくれています。音納さんは以前、クラブ会報に次のような文章を寄稿されたことがあります。

「2002年7月に基山ライオンスクラブに入会し、半年後、ライオンスクラブの『We Serve』の意味が分かり始めた時、おもちゃ病院はひょっとして趣旨に相通ずるものがあると思い、アクティビティとして2002年11月に『おもちゃ病院』をスタート致しました。現在は3カ月ごとに開院し今年(編集部注:2004年)2月で6回目を迎えました。
基山で開くおもちゃ病院は、大宰府の仲間たちが応援に駆け付けてくれますし、もちろんライオンスクラブの会員も応援に駆け付けてくれます。小さな行いですが、修理の出来たおもちゃを手に喜ぶ小さな子どもたち、子どもの顔を見てうれしそうにする母親、おもちゃ病院をしていて良かったなあとつくづく思います。
こんな話もありました。テレビ局に問い合わせ、わざわざ唐津から来られた親子、『何とか修理出来ないでしょうか? 親子3代で親しんできた人形なんです』と言って出されたのは、塩化ビニールで出来た50㎝ほどの人形でした。首も手もぶらぶらになっていましたが、3週間かけて着せ替えのドレスも作り直し修復出来ました。出来上がりの人形を見て喜ばれたのは言うまでもありません。『思い出のおもちゃ』もまた生き返れば楽しみが続きます」

音納さんの奥様も、今でも毎回協力してくださり、私たちもまた音納さんの思いと共にこの活動を続けています。

おもちゃ病院は年4回、3月、6月、9月は日曜日の午後にクラブ事務所で、12月は基山町の祭りの日に合せて基山町民会館で開院しています。今年9月10日にはおもちゃのドクター5人の協力を得て、第80回を迎えることが出来ました。15件のおもちゃの持ち込みがあり、そのうち9件(プラレール4台、トーマス機関車、アンパンマン電話、冷蔵庫、消防車2台)は当日完治しましたが、5件(プラレール2台、アンパンマンおしゃべりオマル、リモコン戦車、おしゃべりキリン)は入院のためドクターが家に持ち帰り、残念ながら1件(アンパンマンパン屋)は修理不能と診断されました。入院したおもちゃは、ドクターが治療後にクラブ事務局に届けてくれ、クラブから持ち主に電話して取りに来てもらいます。

おもちゃ病院に参加していると、皆、心が和み幸せな気持ちになれます。ドクターたちも優しい方ばかりです。きっとおもちゃが治った時の子どもやお母さんの喜ぶ顔が、周囲をも幸せにしているのでしょう。基山ライオンスクラブは高齢化が進み会員も少なくなりましたが、この「おもちゃ病院」は長く続けていきたいと思っています。

(財務委員長/2000年入会/86歳)

2023.09更新