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LCIF交付金による
台風19号復興支援報告
LCIF
2019年10月、台風19号が長野県内を襲い甚大な被害をもたらした。千曲川流域の氾濫による長野市内の浸水域は約1541ヘクタール、推定浸水深約4.3mに及び、水害による死者は17人(災害関連死15人含む)。被害総額は長野県全体で2766億7400万円、長野市の被害額は1108億9000万円、住宅被害は全壊1038世帯を含む4329世帯に上った。
334-E地区(長野県)は、災害発生翌日から避難所となった長野市立豊野西小学校で緊急支援活動を開始。その活動の中での体験から、以下の問題点を把握した。
①浸水で道路が不通になった際の避難所へのアクセス
②緊急支援物資の必要品目が不足した際の調達
③日々変化する避難者のニーズへの対応
④炊き出しなどにおける保健所との調整
⑤全国から集まる支援物資と現場のニーズとの不一致
⑥山間地の自主避難所の孤立化
⑦蓄電池確保の重要性
これらの教訓から、近年「常態化」している大規模自然災害に対する備えとして、ソーラー発電による蓄電設備と、ドローンによる偵察や物資運搬の機能を兼ね備えた未来型災害支援ターミナル建設の復興事業案をLCIFに提出。総額1億円を超えるLCIF交付金を受けて、想定受益者数約70万人規模の大型事業がスタートした。
【事業詳細】
*施設名:長野市災害支援ターミナル(エピセンター・オブ・ライオンズ)
*設置場所:長野運動公園総合運動場中央広場
*設備:
未来型災害支援ターミナル1棟(鉄骨造り平屋建て・延べ床面積251平方メートル)
ドローン2機(調査用・運搬用各1機)
*総事業費:1億20,510,090円
建屋建築関連費用 67,130,000円
太陽光発電・蓄電関連費用 26,167,300円
ドローン関連費用 27,142,500円
その他 70,290円
*着工日:2023年1月26日
*完成日:2023年6月30日
完成した施設は長野市へ寄贈。市への贈呈式や開所式では多数の地元新聞社・テレビ局が取材報道を行い、ライオンズクラブとLCIFによる災害支援を広くPRすることが出来た。
長野市庁内には荻原健司市長の指示の下「ドローン部隊」が設置され、講習や飛行訓練が実施されている。この施設が稼働するような大規模災害が発生しないことを願いつつ、行政と連携して長野市及び周辺の住民に安心を届ける復興事業の完了報告とする。
2023.09更新(台風19号復興支援LCIF事業委員長/仁科良三<長野みすずライオンズクラブ>)