獅子吼
楽しくてすぐに役立つ
ライオンズクエスト
内海清(福岡ふようLC)
福岡ふようライオンズクラブでは青少年育成事業の一環として、十数年前からライオンズクエスト(LQ)プログラムの普及に取り組んでいます。最初に導入を実現させたのは福岡聴覚特別支援学校の中学部で、非常に高い効果が表れ、久留米聴覚支援学校での導入にもつながりました。また、2018年には普通校の福岡市立八田小学校への導入も支援。今回は同校の大澤麻衣子教諭から、子どもたちがLQをどのように学び、活用しているかがとてもよく分かる報告をいただきました。ぜひ、このすばらしい現場の声を共有したく、ここにご紹介いたします。
「八田小学校の学校目標は『より良い関係を築きながら、自分で考え、決定し、行動する児童を育成する』です。この目標を達成するために欠かせないのが『ライフスキル』だと思います。八田小学校では、2018年1月からLQプログラムが導入され、今年で6年目となりました。私自身は2021年に当校に赴任し、LQプログラムについて学びながら実践しているところです。そんな中で感じてきたLQの魅力についてお伝えしたいと思います。
まずLQは、子どもたちにとって『楽しい』ものです。授業の初めの『エネジャイザー(集中力を高め緊張をほぐすゲームのようなもの)』は、子どもたちの楽しみの一つです。エネジャイザーで友達や教師との距離が縮まり、心が温まってエネルギーが充電されます。充電が出来たところで、学習活動に入ります。学習している時の子どもたちは、前のめりになったり、笑顔になったり、真剣な表情を見せたりします。考え、話し合い、やってみるLQは、子どもたちにとって『楽しい』学習です。
LQのもう一つの魅力は、子どもが『すぐに使える』ところです。『今日学んだスキルはどんな時に使えそう?』と聞くと、『今すぐ!』『いつでも!』と声が返ってきます。子どもたちには、スキルを活用出来る場面がすぐに、具体的に思い浮かぶようです。それは、教師にとっても同じです。『今日の国語は、昨日LQで学習した<聞くという贈り物>を使って話し合おう』と投げかけると、それだけで子どもたちの話し合う様子は良いものに変わります。また『<グループの役割と責任>を思い出して活動しよう』と投げかけた時は、活動中に『リーダーは威張るのがリーダーじゃないよ。みんなに声をかけるのがリーダーよ』と、子どもたちが話しているのが聞こえてきました。LQで学んだことは、教師も子どもも毎日意識して使う機会があります。そしてスキルを使うことで、人間関係がより良いものへと変化していきます。
最後に、LQの内容は子どもたち自身が『知りたい』と思っているものです。子どもは子どもなりに学校や家庭で悩みを抱えています。ある日の朝、『今日のLQは<友人関係の仕組み>だよ』と予告しました。すると、授業が始まる前から席に座って待っている子どもの姿がありました。友達と上手に関わる方法を『知りたい』『学びたい』と思っている子どもの願いが伝わってきた場面でした。
このようにLQは、子どもたちにとって『楽しくて』『毎日使えて』『知りたいと思える』魅力あるものです。子どもたちが周りの人とより良い関係を築きながら、自分で考え、決定し、行動出来るよう、これからも楽しくLQプログラムを実践していきたいと思います」
(会長/1987年入会/76歳)
2023.06更新