国際財団
トルコ・シリア大地震
被災地への人道支援
トルコ
2023年2月、マグニチュード7.8の強い地震がトルコ南東部とシリア北部の広い範囲を襲い、その後も大きな余震が発生した。
「トルコは今、歴史的に見ても非常に困難な日々を過ごしています」
ライオンズクラブ国際協会118複合地区(トルコ)で、災害救援委員長として救援活動を率いるダニアル・クビン元複合地区議長は言う。
構造エンジニアで地震の専門家でもあるクビン元議長によれば、今回の地震はこの地域において過去100年で最大の規模で、35万平方km以上の範囲が大きな揺れに襲われた。震源が非常に浅かったことも、深刻な被害を生む要因となった。2月末の時点で5万人以上が死亡し、12万人以上が負傷、多くの家屋や建物が倒壊し何百万人もの人々が住む場所を失った。
大規模な災害が発生するとライオンズは即座に活動を開始し、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)の交付金を活用して被災者の緊急支援に当たる。今回も最初の地震が発生した直後に、LCIFはトルコのライオンズに対して大災害交付金20万ドルを拠出。トルコのライオンズはコンテナ60個を購入し、家を失った被災者の仮設住居として「アディヤマン・ライオンズ・ビレッジ」を開設した。コンテナにはキッチンとバスルームが備え付けられている。
また、スウェーデン(101複合地区)のライオンズはLCIFマッチング交付金を使用して、「アンタキヤ・ライオンズ・テント村」をつくった。300張のテントでは、子ども340人以上を含む1050人が避難生活を送る。地元のライオンズとレオのメンバーは定期的に子どもたちと交流し、学習の機会も提供している。
更に、LCIFはドイツ(111複合地区)のドイツ・ライオンズ財団とのパートナーシップを通じて、トルコとシリアにおける被災者の安全や短期的な住居のニーズに対応するために資金を投じている。
ダグラス・X・アレキサンダーLCIF理事長は言う。
「この地震がもたらした被害には本当に心が痛みます。被災された人たちは、何日も、何週間も、何カ月も、あるいは何年もの間、復旧と再建のための支援を必要とするでしょう。そうした中、世界中のライオンズからの対応と支援は胸を打つものであり、この計り知れない災害時におけるライオンズの揺るぎない人道的精神を示しています。人々が助けを必要とする限り、私たちは支援を続けます」
LCIF交付金は、被災者支援のために団結する世界中のライオンズからの寄付によって支えられている。災害発生後、全世界のライオンズ・リーダーとクラブ、地区がLCIF の災害救援資金を支援するためにさまざまな方法で募金活動を開始し、また個人の寄付も続いている。クビン元議長は言う。
「世界中のどの国にも、これほど大規模な災害に単独で対処する準備はありません。だからこそ、これまで以上に国際社会の連携が必要です。みんなで立ち向かえば、私たちはもっと強くなります」
2023.04更新(国際協会配信 文/アンドレア・スモール)
*国際本部配信の素材動画及び写真をライオン誌日本語版が編集
●関連情報(国際協会ウェブサイト)
「地震の被災地復興を支援する」