海外の活動 町の名物はライオンズ
のポップコーン

町の名物はライオンズのポップコーン

アイオワ州のマーシャルタウン ライオンズクラブは毎週土曜日、地元のハイビー食料品店でポップコーンを1袋2ドルで販売し、その収益を地域のために有効活用している。原材料は州産の乾燥コーンと、塩、バター、油のみ。トウモロコシを主産物とするこの地で、50年近くも続いてきた活動だ。

毎週末、ハイビー食料品店では駐車場までポップコーンの匂いが漂い、ライオンズの存在を知らせている。店に入るとまず目に付くのが、ライオンズの紋章が付いたポップコーンマシーンだ。1日に使用する乾燥コーンは20kg以上。これは地元の映画館での販売量に匹敵するという。

ポップコーン販売で得られた資金は、マーシャルタウンで行われる幅広い分野の活動に役立てられている。小学校に入学する子ども700人以上を対象に目の健診を行うライオンズ・キッドサイト・USA・プログラムや、ライオンズ・アイバンクを通じた低所得者への眼鏡の無料提供、クリニックの協力を得て行う再生補聴器の提供などだ。他にも、地域の緊急用フードボックスや、消防署での活動への支援を行っていて、町の慈善活動に対するクラブの寄付は年間2万~2万4000ドルに上る。

マーシャルタウンには苦難の年もあった。2018年7月の竜巻や22年8月の暴風雨など、自然災害が広範な被害をもたらし、歴史的建造物や低所得者向け住宅も被害を受けた。その中でライオンズは地元の他組織と共にがれきを片付け、損傷した建物を修復し、嵐で失われた樹木の代わりとなる3000本の植樹を支援した。

マーシャルタウン ライオンズクラブは町のさまざまなフェスティバルや、州のイベントでもポップコーンを販売する。更に地元の公共図書館が行うムービーナイトでは、無料配布を行う。ポップコーンの販売と、その益金を町のために役立てること、そしてさまざまな奉仕活動により、ライオンズは認知度と信頼を高めている。この地に暮らす人々もライオンズをよく知っていて、たくさんのポップコーンを買ってくれる。ボランティアと協力の精神は、この土地に染み込み循環しているのだ。

2023.04更新(国際協会配信 文/ジョエル・ラ・プーマ)