獅子吼 これぞ、
ライオンズ・スピリット!

これぞ、ライオンズ・スピリット!

公益財団法人日本骨髄バンクでは18歳から54歳までを対象に、ドナー登録を呼びかけています。そして日本中の多くのライオンズクラブが奉仕事業の一環として、登録推進に協力されていることと思います。こうした活動を日々継続する中で、2022年10月、当330-B地区(神奈川県・山梨県)の一人のライオンズ・メンバーが骨髄を提供されました。私は地区ニュース委員会の委員長としてこれを記事にするために、ドナーとなったメンバーにインタビューを行いました。その時のことをご紹介し、一人でも多くの皆様と共有して、骨髄バンク運動のパワーに出来ればと思います。

骨髄提供を行ったその人は、神奈川県・横浜旭ライオンズクラブの大江航さん(40歳)です。大江さんは2018年7月に入会した、まだフレッシュな会員です。クラブが実施した献血事業の中で、ご自身も率先して献血をされ、その際にためらわず骨髄ドナー登録もされたそうです。大江さんは献血に限らず、常日頃からライオンズの一員として地域でのさまざまな奉仕活動に積極的に取り組んでいました。

そんな大江さんの元に2022年6月、日本骨髄バンクから「重要なお知らせ」が届いたのです。その一通のレターから全てが始まりました。日本骨髄バンクからの手紙には、こう記されていました。
「あなたの骨髄がある患者さんと適合しました」

皆さんはこうした通知を受け取られたら、どう思われますか? 当然ですが、骨髄を提供することにより、自身の体にもリスクが発生します。本人もご家族も不安を感じることと思います。実は大江さんご自身はその時、ドナー登録をしたことをすっかり忘れていました。ですが状況を把握すると、自分が骨髄ドナーとして困っている方を救えるのなら、という思いから、ご家族とも相談し、提供の決断をされたのでした。

骨髄バンクは、白血病などの血液疾患の治療である造血幹細胞移植のうち、「骨髄移植」や「末梢(まっしょう)血管細胞移植」が必要な患者さんとドナーをつなぐ公的事業です。適合するドナーが見つかる確率は兄弟姉妹の間でも4分の1、血のつながらない他人の場合は数百~数万分の1という大変低いものです。移植を希望する全ての患者さんがチャンスを得るためには一人でも多くのドナー登録が必要であり、更に大江さんのように、適合した人が骨髄を提供してくれることが重要です。

現在、骨髄バンクの登録者数は約54万人となっていますが、半数以上が40代~50代であり、若年層の登録が少なく、今後ドナー登録者数が減少していくことが危惧されています。私たちライオンズクラブのメンバーは、こうした公的事業への協力にまい進し、ライオンズ・スピリットを抱きつつ胸を張って活動することがとても重要であると、今回のインタビューを通じて学ばせていただきました。改めて、大江さんに敬意を表したいと思います。
(地区ニュース委員会委員長/2005年入会/58歳)

2023.03更新