投稿リポート "働くということ"
を伝える課外授業

“働くということ”を伝える課外授業

京都堀川ライオンズクラブ(高橋広和会長/96人)は1月20日に京都市立西陣中央小学校で、次いで2月13日に市立洛中小学校で、5年生を対象に「働くということについての課外授業」を行った。これは当クラブの主要な奉仕活動の一つで、クラブ・メンバーが講師として学校に出向き、「自分の仕事の説明」と「なぜその仕事に就いたか」を話し、そして「働く上での苦労と喜び、社会に貢献することの意味」を子どもたちに伝えるというもの。今年は、それぞれ職種の異なるメンバー10人が講師を務め、西陣中央小では6人、洛中小では4人の講師が授業を行った。

西陣中央小の場合は、近々いろいろな仕事を体験出来る校外学習に行く予定があり、「その前に働くことの意味を勉強させたい」との学校側の希望だった。準備期間が少々短かったが、働く楽しさを子どもたちに伝えようと、弁護士や郵便局長、電気工事業者など6人のメンバーが集結した。講師は六つの教室に分かれて、同じ授業を3回行う。子どもたちは聞きたい講師3人を選んで3教室を回る方式だ。特に子どもの注目を集めたのが、美容関連で女性に大人気のネイルの店舗を次々とオープンさせている女性経営者だった。彼女の周りには授業終了後も子どもたちが集まり、「サインください」と言ってくる子もいたほどだった。余程おもしろかったのだろう!

洛中小学校で登壇したのは建設業やホテルマンなどの4人で、こちらは1クラスに対して講師が順番に入れ代わりながら授業をする方式。子どもたちがまず興味を示したのは、ペットのホテル・飲食事業に携わる女性メンバーの授業で、飼っているワンちゃんと一緒に入れるカフェや、ワンちゃんにドッグフードではない手作りご飯を提供しているといった話で非常に盛り上がった。また生花店を経営する女性メンバーの授業は、フラワーデザイナーとしての花に対する考え方や、花の名前当てクイズなど、とても親しみやすく華やかな雰囲気だった。最後は児童に1輪ずつ花を渡し、「花に感謝の言葉を添えて誰かにプレゼントする」という宿題が出された。この活動を始めて7年になるが、私が知る限り宿題を出した講師は初めて。まさに「授業」だ!

初日の全授業終了後、子どもたちの感想を聞いたところ、「好きなことを仕事にする」という言葉を口にする子が多くいた。講師6人は打ち合わせをしたわけではなく個々に話の筋書きを考えたのだが、どうやら「好きなこと」というキーワードが共通していたようだ。

子どもたちはさまざまな可能性を秘めている。この授業が、彼らがこれからの人生において大切な選択をする時の助けになればと思っている。来年もまた学校から声がかかれば、クラブ・メンバーは皆喜んで子どもたちのためにはせ参じるつもりだ。

2023.03更新(MC-IT委員長/山田裕彦)