トピックス 第1回全国特別支援学校
フットサル大会開催

第1回全国特別支援学校フットサル大会開催

一般財団法人日本ライオンズ(不老安正理事長)主催の第1回全国特別支援学校フットサル大会(後援:スポーツ庁、北海道、札幌市、全国特別支援学校長会)が11月5日、北海道札幌市の北ガスアリーナ札幌46で開催された。

7~9月に行われた全国10地区の予選を勝ち抜いた精鋭たちは、各地区代表校との対戦や交流に胸を躍らせ、4日に来道した。出場校は北海道中札内高等養護学校(北海道)、秋田県立ゆり支援学校(東北)、千葉県立特別支援学校流山高等学園(東関東)、東京都立羽村特別支援学校(西関東)、石川県立いしかわ特別支援学校(北信越)、愛知県立名古屋聾学校(東海)、大阪府立なにわ高等支援学校(関西)、島根県立松江養護学校乃木校舎(中国)、香川県立香川東部養護学校(四国)、鹿児島県立鹿児島高等特別支援学校(九州)。

中札内高等養護学校の辻愛翔選手による選手宣誓

4日、京王プラザホテル札幌で開会式及び組み合わせ抽選が行われた。開会式では開催宣言の後、大会会長の不老理事長が「私たちは青少年に対する事業を展開したいと考え、特別支援学校フットサルにスポットを当てました。昨年度はコロナ禍で中止となりましたが、今年は何とか開催しようと皆でがんばってまいりました。選手の皆さんは、日頃培われた力を十二分に発揮しがんばっていただきたい」とあいさつし、大会の成功と選手たちの健闘を祈念した。

選手宣誓では中札内高等養護学校の辻愛翔選手(高3)が「私たち選手一同は日頃の練習の成果をプレーで表し、お互いをたたえ励まし合いながら選手全員で試合に臨みます。記念すべき第1回大会、勝利を目指すだけでなく、思いやりと感謝の気持ちを持ち、皆が笑顔で終われる大会にすることをここに誓います」と力強く宣言し、満場の拍手に包まれた。

組み合わせは、A・Bブロック5チームずつに分かれたリーグ戦で順位を決め、両ブロックの同順位同士が順位決定戦を行う方式。各校の主将が抽選箱の番号札を引き、Aブロックは羽村、名古屋、松江、ゆり、中札内、Bブロックは鹿児島、香川、いしかわ、なにわ、流山となった。

5日の本大会は、いずれ劣らぬ熱戦続きの中、Aブロックは総合力の高い松江と粘り強さで接戦をものにしてきた中札内の首位争いとなった。試合は松江の攻撃をしのぐ中札内がカウンター攻撃を仕かける一進一退の攻防で、2対2の引き分け。3勝1分けの同勝ち点だったが、得失点差で勝る松江が優勝決定戦に進んだ。Bブロックは、無敗同士で直接対決したなにわと鹿児島がどちらも固い守備で0対0の引き分け。リーグ最終戦で5点を奪ったなにわが、3勝1分けで並んだ鹿児島を得失点差で上回り、大逆転で優勝決定戦にコマを進めた。

鹿児島はリーグ戦でわずか1失点だったが、いしかわ戦で喫した唯一の失点が明暗を分けた。順位決定戦で3位となり、下鶴掛夢主将(高3)は「みんなで楽しく戦えたけど、あの失点がなければ決勝に進めたと思うと悔しいです」と振り返った。

優勝したなにわ高等支援学校へ不老大会会長から優勝トロフィーを授与

優勝決定戦はなにわと松江。前半、なにわが先制すると松江が反撃して同点。その後なにわが2点追加するも、松江も終了前に1点を返して3対2という手に汗握るシーソーゲームとなった。後半は個の力にやや勝るなにわが更に3点を追加し、初代優勝チームとなった。戸西寿和監督は「各校のレベルが高くて紙一重。たまたまうちが勝てただけです。本当に選手たちに感謝したいです」と話した。

松江の坂田琉星主将(高3)は「部員が少なくコロナ禍という厳しい中でも、励まし合いながらやってきました。初めての全国大会で2位という結果を出せてよかったです」と爽やかに振り返った。試合後は敗者も笑顔で、互いをたたえ合う姿が印象的だった。各地区指導者の皆さんからは、この大会の存在により生徒が地区を代表する自覚を持ち、普段の生活から意識が変わり、成長を実感出来たとの言葉が聞けた。

一般財団法人日本ライオンズとしては、この大会が特別支援学校の皆さんにとってより一層の励みになるよう活動していきたい。来年度は11月4日、福岡県で開催されることが決まっている。彼らの笑顔とりりしい姿を再び見られることを心から願っている。

2022.11更新(一般財団法人日本ライオンズ副理事長/小野寺眞悟<北海道・札幌北の杜ライオンズクラブ>)