国際財団視力を回復し喜びの笑顔を
”スマイル・プロジェクト”

視力を回復し喜びの笑顔を ”スマイル・プロジェクト”

双子のカヤとアリメは早産で生まれたことから未熟児網膜症に侵され、失明を防ぐには治療が必要だと診断された。両親のイブラヒムとニルフェルは双子のために、自宅から片道1時間半以上かけてイズミル県にある国内唯一の小児科専門病院、ベーチェット・ウズ小児科・小児外科研究病院に通うことになった。カヤは治療によって回復。アリメは今も治療を続けている。

1940年代に開院したこの病院は、トルコの全人口の約4分の1を占めるエーゲ海地方を診療圏としている。新型コロナの流行期は、近隣の一般病院の多くがコロナ患者の治療に専念したこともあり、小児専門病院にかかる負荷が増大。更に子どもたちがタブレット端末やスマートフォンを使う時間が長くなったため、視力障害が増加した。病院内にある眼科診療所では、こうした地域のニーズに応えるために新たな装置を必要としていた。そこで118R地区(トルコ)のライオンズがLCIFに人道支援マッチング交付金を申請。1万50ドルを獲得し、乳幼児のための高度な眼科検査装置を購入・寄贈した。カヤとアリメはその恩恵を受けた一例だ。

イズミルのライオンズは、乳幼児の眼科検診を定期的に実施する必要性を痛感した。子どもにとって視力の低下は、学校生活や将来に大きく影響する可能性がある。2022年度の学期が始まる秋からは、LCIF交付金で購入したポータブル眼科検査装置を使い、ライオンズと眼科医が学校や児童養護施設で目の検査を開始する予定だ。検査の結果、治療が必要と判断された場合には医療機関を紹介する。

イズミルのライオンズは、これを「スマイル・プロジェクト」と呼んでいる。視力の回復を通じて誰かを笑顔にしたいという強い気持ちを込めた。将来的にはプロジェクトを拡大したいと考え、ライオンのマスコット・キャラクターも考案。小さなライオンのぬいぐるみも製作し、視力検査中の子どもたちを退屈させないために役立てている。プロジェクトのエグゼクティブ・マネジャーを務めるフェイカ・エヴリム・ウイサルは言う。

「残念ながら目の健康は世界的に過小評価されており、予防可能な視覚障害に十分に対処出来ているとは言えません。私たちライオンズはこの問題を非常に真剣に受け止めています。目の健康に関する人々の意識を高め、より多くの人々の視力を守り、改善する。そのために取り組めることはまだたくさんあります」

2022.11更新(文/エリザベス・エドワーズ)