投稿リポート 知的発達障害児と
秋の運動会

知的発達障害児と 秋の運動会

一宮ライオンズクラブ(251人)は第66代目となる西尾建一郎会長のテーマ「Service for NEXT (次世代の為の奉仕)」の下、今期もさまざまな奉仕活動を行っている。11月12日には一宮市の児童発達支援・放課後等デイサービス施設・トレトレと、スポーツを通じた子どもの心と体の成長を目的とした運動会を開催した。プログラムには、子どもと一緒にクラブ・メンバーも参加出来る、綱引きや玉入れなどを加えた。更に、知的障害のある人と一緒にスポーツをすることは、「ダイバーシティー&インクルージョン(個々の「違い」を受け入れ、認め合い、生かしていくこと)」の観点からも大きなプラスになると考え、高校生にもボランティアとして参加してもらい、総勢約250人の大イベントとなった。

開会式では施設の代表が、「この運動会では、競技には出てもいいし、出なくてもいい。みんなは出たくなったら参加してくださいね」とあいさつした。せっかくの楽しい運動会が、障害を抱える子どもにとってプレッシャーになってはいけない、そんな配慮からだ。クラブ・メンバーも一般の運動会とは異なるものになると想定していたが、いざ始まってみると子どもたちは元気と笑顔がいっぱい。かけっこ、アスレチックレース、綱引き、玉入れ、チャンバラ合戦、リレーなど、全てのプログラムで予想以上の盛り上がりを見せた。昼休みにはメンバーと子どもが触れ合える、輪投げ、ビーンボウリング、お菓子のつかみ取りなどのゲームも行い楽しんでもらった。

最後には、ボランティアとして参加してくれた木曽川高校ブラスバンド部によるミニ演奏会も開催した。運動会は、施設側からも高校側からも「ぜひまた、このような機会を作ってほしい」と要望が出るほどの大成功だった。

最後に施設の先生が涙ながらに西尾会長に声をかけてきた。
「引っ込み思案(じあん)で学校でも施設でも前に出ることが出来なかった子が、今日は自分から輪の中に入っていったんです。あんなにうれしそうな顔を初めて見ました!」 
それを聞いた会長の目にも、うっすら涙が浮かんだ。

今回の運動会はライオンズクラブ国際協会がパートナーシップを結んでいるスペシャルオリンピックス(SO)の理念にも通じると共に、何よりも施設の子どもたちや保護者、スタッフ、高校生ボランティア、そして私たちにとって大変貴重な経験となったと思う。今後も一宮ライオンズクラブはどんどんニーズを探し、多様な事業に取り組み、地域社会へ貢献していきたい。

2022.11更新(アラート・環境保全・社会福祉委員長/髙橋敬)