投稿リポート フタバアオイ育成を通じて
青少年健全育成

フタバアオイ育成を通じて青少年健全育成

岡崎葵ライオンズクラブ(織田昭弘会長/58人)は、長年にわたって先輩たちが築き上げてきた奉仕の精神と活動を大切に守り継承している。特に青少年健全育成事業については、「学生主張コンクール」「岡崎市理科作品展」「岡崎ハーモニー」「造形おかざきっ子展」「岡崎市小中学生書初め展」「愛知動作法療育キャンプ」「ハートピア岡崎不登校児童支援」「岡崎市民駅伝レプリカ助成」など、岡崎市内の小中学生を対象としたさまざまな活動を活発に続けていることから、周囲からは「教育の葵」と呼ばれ、我がクラブの大きな誇りと喜びとなっている。 

現在、日本全国にはクラブ名に「葵」を冠したクラブが15あり、毎年持ち回りで「全国友好葵大会」を開催している。2010年の第42回京都大会では、京都三大祭りの一つ、葵祭の行列で衣装や牛車を飾る植物・フタバアオイが激減していることから、これを育成して上賀茂神社に葵の森を再生する「葵プロジェクト」への参加が呼びかけられた。賛同した当クラブには後日、フタバアオイ二十数株が届いたのだが、これらを会員に分配していた時に、この育成を子どもたちの教育にも役立てられないだろうかという発案があった。校名に「葵」を冠する岡崎市立葵中学校に打診すると、教材の一つとすることを快諾され、16株を寄贈。これが10年以上続く事業の第1歩となった。

フタバアオイの栽培は難しく、葵中では試行錯誤しながら育成、3年目にようやく2株を上賀茂神社に里帰りさせることに成功した。その後は生育環境も整って順調に育つようになり、ほぼ毎年、葵祭が開かれる5月に献納を続けてきた。同事業については、東海愛知新聞などで紹介されたこともある。生徒たちには、植物の発芽の息吹に生命誕生の不思議・慈しみを覚え、自身の成長と照らし合わせ、命の大切さと周囲の人に支えられていることを感じてもらいたい。葵中では更に2015年に、静岡市立葵小学校との交流でフタバアオイ12株を贈呈した。我々の活動がこのような形で広がったことを大変うれしく思う。
  
残念ながらこの3年間はコロナ感染防止のため葵祭の行列は中止になり、フタバアオイの献納も出来ずにいるが、株は元気に育っている。学校を挙げての学習の一つとして取り組みを続けてくれた葵中の皆さんに、心から感謝する。クラブからは年に1度、フタバアオイの育成支援として助成金を贈呈しており、その様子を目にする度に、私は同事業に最初から携わった一人として大きく成長した奉仕の成果を実感する。我々岡崎葵ライオンズクラブはこれからも地域のオピニオン・リーダーとして、誇りを持って青少年の健全育成に取り組んでいきたい。
 
2022.10更新(長期計画委員長/田中建夫)