投稿リポート ライオンズの森に
ウッドチップコースを整備

ライオンズの森にウッドチップコースを整備

夏休みも終わりに近い8月28日、十日町市を見下ろす小高い山にある十日町総合公園内の「ライオンズの森」に、学生ランナーの歓声が沸き上がった。

十日町ライオンズクラブ(宮嶋孝子会長/40人)は1974年に結成5周年の記念事業として、この山にライオンズの森を建設した。以来、姉妹クラブである千葉県・船橋中央ライオンズクラブから贈られた桜の苗木を植樹したり、毎年地元の南部地区振興会の皆さんと草刈りなどの森の整備やイベントを行ったりしてきた。しかしライオンズの森までの道のりは山道で不便なため、市民の皆さんでにぎわうほどではないのが現状で、有効活用が課題であった。

そんな中、十日町市立十日町中学校陸上部の先生から「ライオンズの森にあるランニングコースを時折使用しているのだが、雨でも足元がぬかるむことなく走れるようにウッドチップを敷いて整備出来ないか」という話があった。聞くと、成長途中にある中学生の足腰のためには、アスファルトよりもウッドチップが良いとのこと。そこからは、先生、地元県議会議員、南部地区振興会、そして十日町ライオンズクラブとで何度も現地調査と協議を重ね、話が持ち上がってからわずか1カ月足らずの8月28日に、整備作業を実施することとなった。

当日は十日町中学校生徒とその保護者、地元高校陸上部の部員、南部地区振興会、当クラブ・メンバーの総勢約60人が、雨の中で作業を行った。この作業ではいかに効率良くウッドチップをまくかがポイントになるが、ライオンズの森への道は狭いため4トントラックでは通れず、ウッドチップを一気に運ぶことは出来ない。そこで、前日までにいったん中学校のグラウンドにウッドチップを運び入れ、そこからメンバーが所有するタイヤショベルと軽トラック10台の連携で現地へのピストン輸送を実施。事業者集団であるライオンズ・メンバーが、それぞれの持てる能力を存分に発揮した。

ライオンズの森では軽トラックがコースにウッドチップをまき、それを生徒を始め参加者が熊手やトンボなどでならしていった。約半日の作業で、チップの厚さ2.5cm、幅約2m、全長約1kmという県内屈指のウッドチップ・ランニングコースが出来上がった。完成後には早速、中学・高校生ランナーたちがコースを試走。降りしきる雨をはじき飛ばすような軽快な走りを見せた。生徒らはお礼の言葉と共に、「秋の駅伝シーズンに向けて練習を重ね、全国大会を目指したい」との意気込みも聞かせてくれた。更に、毎年初夏に当クラブと南部地区振興会が実施しているライオンズの森の整備活動に、今後は陸上部の生徒も参加する話がまとまった。この森から全国で活躍する選手が育つことを願うと同時に、ウォーキングなど一般市民の活用も進み、市民みんなの憩いの場として有効利用が広がることを期待している。


 
2022.09更新(会計/滝沢重雄)