投稿リポート ランドセルは海を渡り
ネパールの子どもたちへ

ランドセルは海を渡り ネパールの子どもたちへ

金沢東ライオンズクラブ(松尾靖会長/80人)は、6年前から日本の子どもたちが使わなくなったランドセルを集めてアフガニスタンやタイの子どもたちへ贈る活動に取り組んできた。しかしこの2年ほどは新型コロナの世界的なパンデミックの影響で物流が停滞し、支援出来ずにいた。そうした中で、クラブ・メンバーの取引会社がネパールでレンガ工場を操業していることから、世田谷区のネパール料理店経営者と縁がつながり、彼女の母校にランドセルを支援出来ないかと情報交換を進めた。相手先の校長、知事、政府と順に承認を得られ、一番難しいと思われた税関も貿易ではないことを証明出来、奇跡的に関税ゼロで発送出来ることになった。

6月27日の昼前からメンバーが所有する保管倉庫で、ランドセルを箱詰めする作業を行った。このランドセルは、4月にウェブマガジン「活動報告」に掲載された、小学校校庭でドライブスルー方式で収集したものだ。段ボール箱一つひとつの側面に中身が商品ではなく日本の子どもたちの使用済み学用品であることを示すラベルを、上部には国際郵便の送り状を貼り、また1箱ずつ計量して重さを箱に明記した。ランドセル6個入りの段ボールはかなり大きく、重さは9kg前後にもなった。全部で34箱に収まったランドセルの総数は204個。午後1時には郵便局の集荷トラックが到着し、無事に送り出すことが出来た。

この出発式の様子は、翌日の地元新聞の朝刊にも掲載された。ランドセルを提供してくれた子どもたちや保護者は、これらがネパールへ渡っていくのだと興味を持って読んだことだろう。1カ月ほどで現地に到着する予定だ。笑顔でランドセルを背負うネパールの子どもたちの写真が送られてくるのを楽しみにしている。小学生の通学かばんであるランドセルは、日本独自の文化だ。世界には貧困などにより教育の機会を奪われている子どもたちが大勢いる。この日本のランドセルが海を渡り、そうした子どもたちが学校に通えるようになるための一助となることを願っている。

2022.07更新(前会長/堀岡昭夫)