トピックス
ウクライナ支援に連携する
ヨーロッパのライオンズ
イタリア、ポルトガル
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、ウクライナの隣国や周辺諸国のライオンズは、戦火を逃れた人々に力強く温かい支援の手を差し伸べている。ライオン誌国際本部版の記事から、イタリアとポルトガルのライオンズが、EU域内のライオンズと連携して取り組む支援活動をリポートする。
ウクライナの子どもたちに笑顔を
イタリア・アスティ ライオンズクラブ
2月下旬、ロシアがウクライナに侵攻したというニュースが流れた時、周辺国のライオンズは自分たちが行動しなければ、と考えた。イタリアのアスティ ライオンズクラブの会員たちは、必要な場所に最善の支援を届ける方法を探し、ルーマニアのライオンズと連携することにした。
ルーマニアのブラショフ・イメリタス ライオンズクラブは、ウクライナ難民を受け入れるセンターを開設し、女性と子ども62人、それに深刻な病気を抱える子どもに付き添う父親4人からなる難民のグループを収容している。故郷に帰れる日が来るかどうかも分からない難民たちは、持ち運べる物だけを携えており、衣類や眼鏡、薬、食料など、日常生活に必要なあらゆる物を切実に必要としていた。
アスティ ライオンズクラブは、イタリア国内のいくつかのクラブと協力し、大人用と子ども用の眼鏡とサングラス2400個、医薬品、衛生用品、防寒着、毛布、おもちゃ、缶詰など1284kgの援助物資を収集。それらをバンに積み込むと、ルーマニアのライオンズに届けるために2000kmの道のりを移動した。
センターには4人用の個室が何室も備えられ、共用キッチン、ダイニングルーム、リビングルームに、オンライン授業用のコンピュータールームやゲームルームもある。ライオンズはまた、子どもたちに医療や精神面のサポート、レクリエーションやスポーツの機会も提供している。
物資輸送を担当したイタリアのライオンズは、センターで冷蔵庫とフードプロセッサーが必要とされていることを知ると、すぐに購入して寄付した。そして、父親を残して故郷から遠く離れた地にやってきた子どもたちに、つかの間でも笑顔になってもらおうと、イタリアから持ってきたおもちゃで一緒に遊んだ。
片道4000km ウクライナからのバス旅
ポルトガル・ブラガ ライオンズクラブ
ロシアのウクライナに侵攻が始まってから数週間後、ポルトガル・ブラガ ライオンズクラブは迅速かつ綿密に立てた計画を実行に移した。
食料や飲料水、衣服、医薬品を積み込んだバスを、4000km離れたウクライナへと送りだした。バスには、ウクライナから受け入れる難民に同行するため、医師や心理学を修めた人など難民の支援に必要な専門的な知識とスキルを持つ人も乗り込んだ。目的地に着いたバスは、身の回りのわずかな荷物を抱えた44人の女性と子どもたち、そして愛するペットを乗せて、一路ブラガへ。長い旅の末にブラガに到着したウクライナの人たちは、安全な家に迎え入れられ、そこでは食べ物と衣類、そして多くの友情が待っていた。ライオンズはこの活動を、ブラガ市と地元の輸送会社、水処理会社と協力して実施した。
ブラガ ライオンズクラブは同時に、まだウクライナに残っている人々を支援するために、トラックいっぱいの生活必需品を中継地のポーランドへ届けた。
ポーランド東部のクラシニクで、ブラガから運ばれたトラックいっぱいの薬と衣類を受け取ったのは、ワルシャワ・アルカ ライオンズクラブ。ウクライナとの国境沿いでは、ポーランドのライオンズがさまざまな国(ポルトガル、リトアニア、フランス、カナダ、デンマーク、ポーランド)からの救援物資を収集。他の組織の助けを借りてウクライナのリヴィウやキーウにいるライオンズ・メンバーの元へ届けられ、彼らの手で必要とする人たちに配布されている。
121地区(ポーランド)のハンナ・ソビエック第2副地区ガバナーによれば、4月中旬、各国ライオンズからの生活必需品を積んだ5台目のトラックがウクライナへ向かった。
2022.05更新
*ライオン誌国際本部版に掲載された記事を編集