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あの日を忘れずに!
丸森避難所兼集会所落成
332複合地区
2019年10月12日から13日にかけて、過去最強クラスの台風19号(令和元年東日本台風)が大型で強い勢力を保ったまま伊豆半島に上陸。東北地方では福島・宮城・岩手の3県を中心に猛烈な雨に襲われ、大規模な河川の堤防決壊・氾濫(はんらん)や土砂災害、道路崩壊が相次いで、多くの尊い人命や住宅などの財産を奪う大災害となった。東北の犠牲者は福島32人、宮城19人、岩手3人の59人、更に行方不明者2人、災害関連死5人を合わせるとその数は66人に及び、被災地では今なお厳しい生活を余儀なくされている。
台風19号は東日本の広い範囲に甚大な被害をもたらしたが、自治体単位で最も多い犠牲者が出たのが宮城県丸森町だ。当時、332複合地区議長として被災状況の視察に訪れた際、流木が絡まりひしゃげたガードレールやカーブミラー、濁流によって壊れた車、外壁が剥がれて骨組みがむき出しになった家屋などを目の当たりにし、被害の甚大さに衝撃を受けた。
「水の流れが速く危険であったため、助けたくても救助に行けず、情けなかった」
そう語っていた保科郷雄町長の言葉が忘れられない。
今後、台風19号のような大規模な暴風雨から大切な命を守るためには、いかに安全に避難行動を取るか、特に避難に時間のかかる高齢者や障害のある方の移動をどう進めるかなど、十分な備えをしておかなければならない。ライオンズクラブとしてそのために何が出来るか、丸森ライオンズクラブや保科町長、役場職員と協議を重ねる中、保科町長から「一時避難や自主避難のための施設を確保することが住民の安全と安心につながり、平時には各行政区の集会所等として活用することが有益である」との要望をいただいた。そして支援に向けて本格的に取り組み、台風19号被災地復興支援のLCIF交付金事業として丸森町横町地区避難所兼集会所の建設を申請した。
災害発生から1年が経過した2020年10月12日には、宮城県丸森町では合同追悼式が執り行われた。式の中では保科町長はが「このような災害を二度と繰り返さない」と話され、ご遺族代表は「なぜ家族を救うことが出来なかったのか、この1年苦しんで来ました」と、亡き家族の思いを語られました。ここに、改めてご冥福をお祈り申し上げる。
命を守るための避難所兼集会所の建設事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で遅れが生じた。長い道のりの末にようやく工事に着手し、2021年11月1日に起工式を開催。そして今年、22年4月16日に竣工・落成式を無事に執り行うことが出来た。建設地は高台に位置し、町役場に近い中心市街地の一角に面している。災害時の安全な避難所にすると共に、ライオンズが奉仕活動を行う際の拠点としての役割も果たし、また一般の利用者の方々にライオンズクラブへの理解を広めるのにも寄与する、有意義な施設となることだろう。
2022.05更新(元332複合地区ガバナー協議会議長/菅野文吉)