国際財団 壊滅的な洪水後の
コミュニティー再建

壊滅的な洪水後のコミュニティー再建

2018年8月のモンスーンによりインド南部のケララ州に猛烈な雨が降り大洪水が発生、100年に一度と言われる壊滅的な被害をもたらした。氾濫(はんらん)した水は地域一体を襲い、100万人以上の人々の平和な日常を破壊した。道路は崩壊し、地盤が緩んでココナツの木が根こそぎ倒れ、家々は完全に水没。500人近くが命を落とし、1万6000戸以上の家屋が倒壊した。ケララ州のライオンズ・メンバー約2万5000人は、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)の支援を受け、現地に真っ先に駆けつけて被災した人々のために行動した。洪水からわずか数日の間にLCIFが提供した大災害援助交付金10万ドルは、地域の家屋再建のため役立てられた。

LCIFは更に、復興を後押しするために56万ドルの追加交付金を拠出し、120戸の住宅建設を目指した。LCIFとパートナーシップを結んでいるマナプラム財団も21万ドルを寄付しこれを支援した。ケララ州内では現在、97世帯が新築された家屋で暮らしている。22年春までには残りの23戸が完成する予定だ。

マナプラム財団で理事を務めている、ライオンズクラブ国際協会のV・P・ナンダクマール国際理事は言う。
「洪水の後、マナプラム財団は私たちのコミュニティーの再建を支援したいと考えていました。そしてより多くの家族を支援するために、LCIFと協力することにしたのです」
20年3月に開始された復興プロジェクトは新型コロナウイルスの影響により10カ月の延期を余儀なくされたが、2年の間に建設された家々にケララ州各地から大勢の家族が戻ってきた。各家には、セラミックタイルのフローリング、トイレ、キッチン、電気配備、シャワーなどが設置されている。「あの時、私たちのために駆けつけ家を建ててくれたのはライオンズクラブでした」「私は夫を洪水で失いましたが、今、2人の子どもと一緒に暮らすことが出来ています」と、人々は感謝の言葉を口にする。

「私たちの複合地区の50年間の歴史において、このように大規模な住宅プロジェクトが実施されたのは初めてです」と話すのは、現地における交付金の管理を担うラトナスワミー・ムルガン元国際理事。
「全ての家にはライオンズのエンブレムが飾られています。これらは被災地におけるライオンズの奉仕の恒久的な証言として残るでしょう」
ケララ州には戸建ての他に、12のアパートと12の共同施設も建設された。LCIFとマナプラム財団のパートナーシップは、この地域に暮らす全ての人々が未来を築き上げる支援をしたのである。

2022.04更新(文/ララ・レベック、エリザベス・エドワーズ)