投稿リポート 市民と一緒に海岸清掃
"ビーチクリーン"開催

市民と一緒に海岸清掃 “ビーチクリーン”開催

「宮古島」と言えば、白い砂浜にエメラルドグリーンの美しい海、というイメージを持たれている方が多いかもしれない。実際その通りではあるのだが、その一方で、冬の東・北海岸は海流に乗って近隣アジア諸国から流れ着くプラスチックごみや漁具などの漂着ごみであふれ返る。更に去年からはこれらに小笠原諸島の海底火山の噴火で発生した軽石が加わり、一層景観を損ねる事態となっている。

こうした状況を憂えた市民が立ち上がり、近年、宮古島では「ビーチクリーン」がちょっとしたムーブメントになっている。宮古ライオンズクラブ(47人)も昨年、宮古島レオクラブと合同で初のビーチクリーンを開催。今年も3月27日に実施することにした。2月20日にはまん延防止等重点措置が解除されたことから、事前にマスコミを通して告知し広く参加を呼びかけた。

開催当日は朝から小雨が降るぐずついた天気で、Facebookで決行を告知したものの、どれだけの人数が集まるか未知数だった。しかしふたを開けてみれば、個人参加、家族参加、団体参加(自衛隊からは50人)を含め、子どもから大人まで120人近くもの人が集まった。

最初はペットボトルや漁具などのごみ類を集中的に集め、その後、軽石除去作業に。120人でたっぷり2時間作業にいそしんだ結果、集められたごみは250袋分、軽石は13トンにも及んだ。全ての作業を終えた後、参加者全員に宮古島市の「理想通貨」20ミャークを配布し、感謝の意を示した。市が発行するこの通貨はエコ活動など「宮古島にとって良いこと」をすると入手出来、理想通貨協力店で使用出来る。

堆積(たいせき)した軽石を一掃するまでには至らなかったものの、ペットボトルが散乱していた浜辺は、目立ったごみは確認出来ないくらい美しいビーチへとよみがえった。一人ひとりの力は小さくても、多くの人が力を合わせれば世界はもっとすてきな場所になる。そんなことを実感した3月のビーチクリーンだった。
 
2022.04更新(会長/富山忠彦)