投稿リポート コロナ禍の街に
明かりをともす

コロナ禍の街に明かりをともす

阿久根ライオンズクラブ(尻無良輝会長/24人)はコロナ禍で沈んだ街を元気づけようと、昨年12月1日から今年の1月15日までの1カ月半、初めてのイルミネーション事業を企画した。参加団体を募ったところ、10の団体・企業が手を挙げてくれた。それぞれに趣向を凝らしたオブジェを作り、飲食店街の中心にある大丸公園に設置、10個の光り輝く作品が街を彩った。開催期間は新型コロナの感染状況が比較的収まっていた時期で、夕方5時の点灯後、子ども連れの家族や年末年始の会食ついでに立ち寄る人たちでにぎわった。

阿久根市でもさまざまな業種が、新型コロナにより少なからぬ打撃を受けた。特に飲食店が被った影響は大きく、街は人通りが少なくなり寂しく沈み込んでいた。そうした中で何とかして街に元気を取り戻すことが出来ないかと考え、地元の若者たちのグループ「楽しまNight実行委員会」と共催でイルミネーション事業を実行することにしたのである。資金が少ないため、各参加団体には自己資金とボランティアでオブジェを作ってもらった。ペットボトルや空き瓶を使ったり、切り出してきた竹を材料にしたり、家に眠っていたライトを使ったりと、それぞれが工夫して低予算で作ることを心がけた。

阿久根ライオンズクラブも、ペットボトルやガーデニングで使わなくなった園芸ラックなどを利用して、最小限の予算でクリスマスツリーを作成した。クラブ・メンバー全員が、こうしたオブジェを作るのは初めてだったがそれなりの出来栄えになり、子どもたちからは好評であった。

12月1日の点灯式では市長や実行委員長のあいさつに加え、尻無会長もあいさつに立ち「飲食店街に明かりをともし、元気にしたい」と述べた。参加者皆でお金をかけずに知恵を出し合い取り組んだ結果、つかの間のコロナ感染者減少期とも相まって、師走の飲食店街ににぎわいを取り戻すことが出来た。

新型コロナの先行きは見えず不安が続く中、少しでも街の元気を取り戻すべく、今後もこのイルミネーション事業を継続していくことが決まった。今年の年末に実施する頃には、コロナはどうなっているだろうか。人々は行動を制限されることなく、街に活気が満ちていることを心から願っている。

2022.02更新(幹事/竹之内和満)