投稿リポート
"生理の貧困"
解消に向けて
北海道・留萌みなとライオンズクラブ
#人道支援
貧困や差別のない社会の実現を目指して世界70カ国以上で活動する国際NGOプラン・インターナショナルが、2017年にイギリスで初めて調査を実施した「生理の貧困」。回答者の10%が「生理用品を買えなかったことがある」と答えたことから、欧米を中心に問題意識が高まっていった。
同NGOが21年に日本で15~24歳の女性2000人を対象に実施した調査では、経済的困窮だけでなく、羞恥(しゅうち)心や家庭の無理解なども生理用品の購入を困難にさせている状況が見えてきた。国際的に問題となっている生理の貧困の背景には、生理がタブー視されてきた歴史と、男尊女卑の政治・社会構造が影響しているとされる。生理用品を買うお金がない、または使えない状況は、開発途上国に限らず先進国でも問題になっているのだ。
留萌みなとライオンズクラブ(宮下泰裕会長/56人)は新年度が始まった21年7月から、この問題の解消を目的として、保健奉仕委員会を中心に「おもいをつなぐProject」をスタート。10月、留萌市役所など市内3カ所に、市民から未使用の生理用品の寄付を募る「つなぐBOX」を設置した。女子学生の5人に1人が生理の貧困に直面しているという調査結果もあることから、クラブでは集まった品々を学校に寄贈する取り組みを推進している。BOXには設置直後から生理用品が寄付され、驚きとうれしさと感謝で心が震える思いがした。
12月、留萌高校を訪問し、活動開始からこれまでに集まった生理用品約1300個を寄贈した。人々の思いを更につなげていきたいと、今後は市内の中学校、小学校への寄贈も検討している。
2022.02更新(保健奉仕委員長/工藤由美子)