投稿リポート
ひとり親世帯に
食料や日用品を提供
茨城県・守谷ライオンズクラブ
#食料支援
守谷ライオンズクラブ(73人)は、新型コロナウイルスの流行が本格化し始めた2020年3月にコロナ対策支援委員会を立ち上げ、当時手に入りづらくなっていた次亜塩素酸の消毒水を市内の病院、介護施設、ごみ処理施設、火葬場に配布する事業を行った。その後、テレビなどでも取り上げられた、ひとり親世帯の困窮問題に目を向け、2020年12月、給食のなくなる冬休み前に「もりやもぐもぐ応援バッグ」と題して、子育て中のひとり親世帯に食料や日用品の入ったバッグを無償提供する事業を始めた。
この事業を開始するに当たり問題になったのは、どうやって「ひとり親世帯」を把握するかということであった。当クラブのメンバーでもある市議会議員と相談し、市役所の福祉課に趣旨を説明して協力を求めたところ、守谷市社会福祉協議会でも同じような事業を企画しているので共同でやるのはどうか、との提案をいただいた。
後日、社協と協議して共同で事業を行うことで合意。社協は把握している「ひとり親世帯」「生活保護世帯」などの情報を生かし、ピンポイントで困っている子育て世帯に手紙で事業の案内を発送。守谷ライオンズクラブ側ではフットワークを生かして資金の獲得と食料の調達に動いた。社協からは惜しみない協力があり、それぞれが得意な分野を担当出来たことで、短期間で想像以上の規模の事業となった。この事業への反響は大きく、継続する必要があると感じた私たちは社協とも協議し、学校の給食がなくなる夏休み前と冬休み前の年2回、実施することで合意した。2回目からは守谷市商工会も主催者に加わっていただき、2021年7月に第2回、12月に第3回「もりやもぐもぐ応援バッグ」を開催することが出来た。
コロナ禍で困っている人たちを支援しようと始まったコロナ対策支援委員会であったが、活動していくうちに、最終的に一番大きな影響を受けるのは子どもたちなのかも知れないと気付き、委員会名をCLS(チルドレンサポート)委員会と変更し、活動をコロナ対策支援から子どもたちの支援へとシフトさせた。
この活動を通して、日本でも確実に格差が広がっていると感じた。特にひとり親世帯には金銭的な貧困だけではなく、仕事、健康、情報とさまざまな格差が重なり、悪循環を生んでいる。そしてそのあおりを受けるのは子どもたちだ。こうした悪循環を家庭内の努力だけで解決することは非常に難しい。公的な援助はもちろんであるが、地域の大人が一人でも多く関わることで解決出来る場合があることを実感した。微力ではあるがこの活動が少しでも多くの大人の目に留まり、共感され、子どもたちに目を向けてもらうきっかけになれば、希望を見いだせる子どもは増えるはずである。
「もりやもぐもぐ応援バッグ」配布実績
第1回 2020年12月 配布世帯116世帯
第2回 2021年7月 配布世帯156世帯
第3回 2021年12月 配布世帯186世帯
2022.01更新(会長/齋藤正行)