投稿リポート 薬物乱用防止教室で
下敷きの配布

薬物乱用防止教室で下敷きの配布

サッポロシニア ライオンズクラブ(小林八重子会長/39人)は毎年、市内20校近くの小・中学校で薬物乱用防止教室を実施している。受講する児童・生徒は約2500人。この時、公益財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターが作成した啓発資材の下敷きを必ず配布している。

「下敷きは語る」

この下敷きには、薬物の危険性に関する知識が凝縮されている。薬物の種類に、興奮・幻覚・抑制作用など、使用した人間がどういった状態になってしまうか。裏面には、人体への悪影響を記載。「日頃から危険を避ける判断力を身につける」「誘われた時は、しっかりと断ろう」といったキャッチコピーも児童・生徒に薬物の怖さを訴えている。

下敷きを配ると子どもたちは必ず目を通してくれる。そして「マッシュルームとは何ですか?」「大麻は何種類ありますか?」と質問が出される。子どもたちが下敷きをじっくり見ている姿を見ると、下敷きの抑止効果は馬鹿に出来ないものだと感じる。

そのため、クラブでは毎回必ず配布をしているが、下敷きとて無料ではない。1枚50円ほどだが、2500人に配るとなると12万5000円にもなる。「子どものために」という思いでメンバー全員で拠出しているが、決して安くはない金額である。

ところが今年は鶴嶋浩二331-A地区(北海道道央)ガバナーが「LCIFに寄付の協力をしてくれている各クラブに、交付金を通じて奉仕の還元をしたい」と、LCIFに地区シェアリング交付金を申請。当クラブの他、札幌コスミックシニア、札幌東、札幌白石、札幌リバティ、岩見沢はまなす、滝川の各ライオンズクラブに、教室開催数に応じて500〜3000枚の下敷きがプレゼントされた。そこで当クラブでは11月24日に行った札幌市立山の手小学校での薬物乱用防止教室からこの下敷きを子どもたちに渡している。

サッポロシニア ライオンズクラブでは、2010年度から薬物乱用防止教室を開始。20年度までに延べ121校、1万2487人の児童・生徒が受講した。子どもたちに薬物の怖さを知ってもらうために活動を続けてきたが、11年前と比べ、SNSの普及等により、違法薬物販売の情報に簡単にアクセス出来る状況になってしまっている。おまけに、コロナ禍で「おうち時間」が長くなり、スマホやパソコンを通じてインターネットに接続する時間も伸びている。日本の宝である子どもたちを守るため、社会全体で方策を講じ、情熱を傾ける必要がある。勉強の合間にでも見て、薬物が危険だという認識を改めて持ってもらいたいとの思いで下敷きを配り続けてきた。当クラブの活動が1人でも多くの青少年を守る結果につながるよう、努力を重ねていく。

「下敷きは、語り続ける」

2021.12更新(元会長/森一男)